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 「確かにITサービス事業で先を走っているように見られている」。ITインフラ構築から保守・運用を展開するユニアデックスの高橋勉社長は、業界で注目が高まっていることに嬉しそうだ。06年度に売上高854億円、営業利益38億円の同社の事業構造を探ってみる。

 ユニアデックスは97年に「システムベンダーのサービスに特化」(高橋氏)し、日本ユニシスの100%子会社として設立された。複数のハードとソフトを組み合わせたオープンシステムに移行する時代で、そこに必要な商品やサービスを一括して提供し、かつサポートするニーズが高まってきた頃である。汎用機時代はITベンダー任せだったが、オープン時代はユーザー自らハードやソフトを選定しシステム構築まで主体性を持つことを求められた。だが、システム構成は複雑化するばかりで、ユーザーはこうしたマルチベンダー環境に対応できるハード技術とミドルウエアなどのソフト技術に熟知するITサービス会社を探し始めた。そこにマッチしたということだろう。

 ユニアデックスには、OSからミドルウエアまでの開発に携わった技術者が数多くいる。「ユニシス時代、米国でOSを書いていた技術者もいるし、米国の開発部隊と英語でやり取りし、日本版を開発した経験者もいる」(高橋氏)。こうしたミッションクリティカル市場を経験したハード保守技術者1300人、ソフト保守技術者900人らは子会社化にあたって、日本ユニシスから転籍した。自らも市場開拓するためだろう。事実、営業関係者約400人を配置し、売り上げの60%を独自営業で獲得している。

 こうした人材が集まったユニアデックスに、外資系ハードやソフト・ベンダーが日本市場に進出する際の保守サービス網を委託するケーケが増えた。あるPCベンダーの場合、ハード保守に加えて、法人向けシステム構築に必要にインフラ関連製品の提供やコールセンター機能も請け負っている。主要なPCベンダーやストレージ・ベンダーをサポートできる技術力を蓄積してきたことで、マルチベンダー環境のサポート力はさらに増したという。

 それでも、「ハード保守だけでは、縮んでしまう」(高橋氏)恐れもある。ITベンダー系保守サービス会社が売り上げ低迷を続けていることからも明らかである。だからこそ、ハード保守を手掛けるITベンダー系保守サービス会社とは一線を画し、ITインフラ構築から保守サポートまでを24時間365日で請け負える体制にした。ネットワークからサーバーまでの構築から保守・運用までをワンストップで提供するだけではなく、ハードの設計・製造や設備設計、インターネット・プロバイダ事業も手掛けている。

 「ネットワークをキーにしたITインフラ構築を考える部隊」と、高橋氏はユニアデックスの特長を説明する。結果、企業ユーザーのほかハードやソフト・ベンダー、さらにはシステム・インテグレータも同社の顧客に名前を連ねている。

KDDIとの太いパイプで事業拡大へ

 最近は音声とデータを一体化させるVoIPや無線系にも注力する。その流れから、07年2月にKDDIと包括契約を交わし、07年4月から両者一体で市場開拓を始めた。通信市場は固定系と無線系を一体化させるFMC、WANとLANの統合、さらにはNGN(次世代ネットワーク)への対応を進めている。「NGN時代になれば、データ、音声、画像を含めた新しいインフラもいる」(高橋氏)とし、これまでのようなWAN、LAN、サーバー構築を別々に扱うことから、ワンストップで提供する時代になる。現在、43人がKDDI本社の東京・飯田橋に常駐し、営業を含めた戦略の共通化を図っており、この関連で07年度に45億円、3年後に200億円の売り上げを見込んでいる。

 ここでは、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)対応も重要になる。「(ITインフラが)データセンターに集約されていくことを意味する。ユーザーは例えばメールシステムをいちいち自前で持つだろうか。そんな時代になれば、ネットワークや課金システムなどを持つ通信会社が強くなる」(高橋氏)との読みもある。インフラが集約され、その上にアプリケーションがサービスとして提供される仕組みになるというわけだ。日本ユニシスも07年11月に教育ソリューションをSaaS対応で売り込む計画を発表しており、順次メニューを揃えていく計画である。

 ユニアデックスは運用系にも力を注ぐ。IDC(インターネット・データセンター)に移行するユーザーが増えれば、「ネットワーク系とクライアント系の運用などのアウトソーシングが高まる」(高橋氏)からだ。センターサイドはKDDIと組み、IDCによる運用サービスを開発していく。ユーザーサイドのクライアントの管理やセキュリティ対策などをユニアデックスが請け負う。それを同社はマネジメントサービスと呼ぶ。現在売り上げの15%を占めるが、ここを年率50%で伸ばす考えだ。

 「そこでのキーになるのは、集中サポートの仕組み」(高橋氏)。運用を効率化させるためだ。例えば人事異動などで移動するパソコンなどの資産管理、クライアントのバージョン管理などだ。そうしたことをマンパワーだけで対応することは難しいので、これまで個別に提供してきた関連サービスを、07年度内にサービスメニューとして整備する。そして、ITサービス市場での存在価値をさらに高める。