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 この前、仮想化ソリューションの提案で“CO2削減”が顧客に響く、なんて話を書いたが、CO2削減の話で大騒ぎを始めているのはSIerというよりも、むしろコンピュータ・メーカー。コモディティ化したサーバーなどで利益を取るために数を売りさばいていたが、電気をムダに鯨飲馬食するITが問題視され始めたことで、このビジネスモデルに疑問符が付いた。それでメーカーは一斉に、“グリーンIT”への取り組みを声高に宣伝し始めたようだ。

 確かにCO2の排出、あるいは資源の無駄遣いという観点からは、IT、特にサーバーはとんでもない存在かもしれない。CPUリソースを大量に余らせ、大した仕事もしていないのに電気をガバ飲みし、人間が暑さ寒さに耐えて仕事をしている時も、これまた大量の電力を消費する快適な空調を要求する。考えてみれば、よくもこんなに“燃費の悪い代物”を、企業はホイホイ導入してきたものだ。今まで問題にならなかったのが不思議なくらいだ。

 そう言えば、環境省の『平成19年度版 環境・循環型社会白書』でCO2排出状況を見ると、2005年度で工場など「産業」のカテゴリーが4億5600万トンに対して、情報システムが含まれる「業務その他」が2億3800万トン。さすがに工場などよりは少ないとはいえ、結構な量だ。しかも1990年度比で「産業」が6%減なのに対して、「業務その他」は45%も増えている。

 で、ITについても、もう野放しは許されなくなりそうだ。今、政府からの要請で業界ごとに自主行動計画を立て、工場などのCO2削減に取り組んでいるが、今後は「業務その他」の領域でも自主行動計画の策定に迫られそうだ。ただ、この前も書いた通り、これ以上のクールビズ/ウォームビズで、従業員を暑がらせたり凍えさせたりすることはできない。そうなると、各企業が個々の具体的な目標を立てる際に、IT部門、そして情報システムに対して大きなCO2削減目標を課す可能性が高い。

 そんなわけなので、コンピュータ・メーカー各社は省電力・低発熱型のサーバー、あるいはストレージの製品化に血眼になっているわけだ。もちろん、こうしたCO2削減の機運は、メーカーにとっても大きなビジネスチャンス。かつて自分たちが売り込んだ鯨飲馬食型のサーバーなどの大量リプレースが期待できる。しかも、付加価値の高いサーバー製品などを売り込めるので、好きで始めたわけではないコモディティ型のビジネスから脱却できる可能性すらある。

 ただし、そうは問屋が卸すか、それは分からない。地球温暖化の問題はここまで追い込まれてしまった以上、あらゆる企業が真剣に向き合わなければいけない課題だ。だが、IT関連でのCO2削減は、仮想化によるサーバー統合/ストレージ統合という手がある。これだって、うまくやれば3~4割のCO2削減が図れる可能性もある。そしてユーザー企業がサーバー統合などを推進すれば、サーバー市場のシュリンクにつながる恐れもある。

 さて、独立系のSIerの立場であれば、これはもう何のこだわりもなくCO2削減ソリューションの提案ができる。それは仮想化によるサーバー統合であってもよいし、“エコなハード”の提案であってもよい。また、両者を組み合わせたソリューションでもよい。それは商談として有望だし、顧客の大幅なコスト削減につながるし、そして何よりCO2削減、地球温暖化防止につながる。取り組まない手はないと思うが、どうだろう。