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 出版不況でなかなか本が売れない中,個人ブログが元ネタとなったベストセラーや,ブログでのネットコミが引き金となったベストセラーは珍しくなくなりつつあります。今や,有能な編集者は,ブログライターに着目して新人を発掘することも珍しくありません。また,書評アルファブロガーと呼ばれる方々に,新著のPRをお願いするのも,新しい常識なのです。

 そんな「ブログが出版業界を変えつつある」傾向をふまえて,「ベストセラーを書こう!プロジェクト」が始まりました。これは,まだ埋もれている未来のベストセラー作家候補から,広くビジネス書の企画を公募して,ネット上でオープンに評価する新企画です。

 既に一次審査通過作品の一部( 企画概要/前書き/著者プロフィール/目次案/サンプルとしての章の抜粋)が専用ブログで公開されて読むことができます。「風邪をひかない生き方」「なぜ,あなたのお客は偏差値が低いのか?」「ハカイダー上司が会社を壊す」「口ベタ営業マンを救う,しゃべる名刺」「恋の脳トレ」などユニークな企画が目白押しです。それを読んだ読者は,コメントやトラックバックを自由に書き込めます。その反響を見ながらプロの編集者・作家,書評アルファブロガーなどが,出版すべき作品を吟味するのです。

 この企画に参加すれば,みなさんもビジネス書著者や書評ブロガーとしての,新しい道が開けるかもしれません。

アマゾン1位を連発する「新人発掘の名人」編集者が考えた企画

 このプロジェクトの仕掛人は,日本実業出版社企画戦略室長の大西 啓之さんです。もともと政府系金融機関のご出身という異色のキャリアを持ち,出版業界の常識にとらわれない発想で「新人発掘」をする名人なのです。

 大西さんの代表的な仕事の一部をご紹介しますと…,

  • ミリオンセラー『鏡の法則』の著者 野口嘉則さんのデビュー作『幸せ成功力を日増しに高めるEQノート』をプロデュースしてAmazon.co.jp総合ランキングで第1位を獲得
  • 昨年発売し,民放キー局すべてで紹介されベストセラーとなった『聴診器ブック』をプロデュース。大西さんご自身も,日本テレビの「ズームイン!!SUPER」にゲスト出演
  • 2006年7月に発売した公認会計士 望月実氏のデビュー作『会計のトリセツ』で,Amazon.co.jp総合ランキングで第1位を獲得

 こうした輝かしい業績をあげている大西さんですが,これまでの出版業界のあり方に疑問を呈して,今回のプロジェクトは始まりました。

なぜ,いい本が出ないのか~クローズドな業界の常識が邪魔

 出版不況の背景には,本を読む人が減った,ネットが普及した等々の構造的な問題もありますが,大西さんは「出版社の努力不足」という一面も確かにあると考えました。一度売れる本が出ると,そのテーマや著者を追っかけた二番煎じ企画ばかりが相次ぐのはご存知の通り。また,どこかで見たような本がそこそこ売れるために,本当の意味での新しい才能やテーマの発掘を業界全体で怠っているように大西さんの目には映ったのです。

 今どき書籍を積極的に読むような人たちは,とんがった個人ブログやメルマガも読んでいるはずです。こうした制約なしで自分の関心を極める個人メディアを読めば読むほど,読者は目が肥えてきます。その結果,より新鮮で深いテーマ,あるいは,より短絡的に面白い内容などを求めるようになるでしょう。

 あるいは,自分でブログを書き始めて,その面白さに気づいて熱中しているかもしれません。その中には,まさに著書を出すにふさわしいブロガーや,プロの書評家も驚くようなブロガーまで現れているのです。それにも関わらず,肝心の出版業界が,十年一日のごとき経験則で本を作っているとしたら,お客様の意識とのギャップは大きくなるばかりでしょう。

ベストセラーはブロガーのネットコミで生まれる

 これまでは,本を出したら新聞などのマス媒体に広告を出すことが出版業界の常識だったそうです。しかし,残念ながら,時代の変化でその広告効果が薄らいでしまっています。それに代わってネットを通じた口コミ/ネットコミが読者を動かすようになっていることを,プロデュースした書籍がアマゾンで1位となる経験を通じて実感したと大西さんは指摘します。

 特に最近は「書評アルファブロガー」の影響力が高まっていて,新著がネット上のキーマンに評価されるかどうかが,ベストセラーが出まれる鍵になりつつあるのです。もちろん,アマゾンに代表されるネット書店の影響力は大きくなる一方です。ここでも,ますます一般読者によるレビューなどのネットコミが重要になっています。

 今や出版社のPR手法としても,ネット活用は不可欠となっているのです。

斬新な発想とネットコミを生むオープンネットワーク

「著者と編集者だけのやり取りで売れるものは作れない」
「密室で作ってはネットコミの広がりも生まれない」

 そう実感した大西さんは,大胆な発想をします。今は,昨日の読者が明日の作者になりうる“プロシューマー”時代である。しかも,情報をオープンにすればするほど有用な情報や人材が集まり,場の価値も高まるオープンソースの時代でもある。そこで,「書籍の企画」を公募して,「原稿の一部」までを一般に公開することを思い立ちました。ライバルが真似をすることを恐れて,「新企画」を秘密にするのが常識だった業界では考えられない方法です。

 しかし,広く知恵を借りることで,より良い書籍ができる。発売前から話題をつくることが,ベストセラーにつながる。大西さんはそう考えたのです。