PR

 今回から「言葉の常備薬」というテーマで記事を書かせていただきます。これは、仕事のやり方や社会人としてのあり方など、ふだん自分に言い聞かせている言葉を集めようという試みです。このテーマを思い付いたきっかけは、扇子忠さんの著書『弱者だから勝てる「伝説の営業マン」と呼ばれて』に感銘を受けたことです。

ついにヒントがつかめた

 私は、10年ほど前に、扇子さんが講師を務める営業セミナーに参加したことがあります(関連記事)。扇子さんの指導を受けたり経験談を聞くうちに、私は「自分も扇子さんのようになりたい」と大いに憧れを抱きました。数年後、日経BP社の仕事で扇子さんを取材する機会を得たとき、これ幸いとばかりに「どうしたら扇子さんのようにデキル人になれるのか?」と質問しました(関連記事)。扇子さんの答えは「人の真似をしてもダメ、自分の選んだ道を登れ!」でした。扇子さんのようになるためのヒントを得られなかったのです。

弱者だから勝てる「伝説の営業マン」と呼ばれて
著者:扇子(せんす)忠
出版社:三一書房
価格:1733円(税込)
ISBN:4-380-07228-4

 つい最近、第一線を引退されたばかりの扇子さんは、「伝説の営業マン」をタイトルに掲げた本を書かれました。この本を読んで、ヒントがつかめました。扇子さんのビジネススタイルを支えていたのは、事業家、哲学者、宗教家、武人など、多くの先人たちの言葉だったのです。扇子さんは、仕事や人生の教訓となる言葉に触れるたびに、それをノートに書きためていたそうです。これら多くの言葉を扇子さんの仕事上の経験に合わせて紹介しているのが、「伝説の営業マン」という本です。まるで書評のコーナーのようになってしまいましたが、皆さんも、ぜひお読みください。

新しい仕事を始めるときに必ず思い出す言葉

 扇子さんには及びませんが、私にも自分のビジネスタイルを支えている言葉がいくつかあります。今回から新しいテーマで記事を書き始めたのですから、新しい仕事をするときに自分に言い聞かせている言葉を紹介しましょう。それは、「目的と結果」「納期と計画」です。これらの言葉は、私が新人時代にお世話になった二人の上司から、しつこく何度も聞かされました。

 私が配属された部署には、なぜが直属の上司が二人いました。F主任とT主任です。仕事が終わったことをF主任に報告すると、「目的は何だった、結果を出せたのか?」としつこく聞かれます。何度報告書を出しても、F主任からOKをもらえません。一方、新しい仕事に取り掛かろうとするとT主任がやってきて、「納期はわかってるの?わかっているなら計画書を出してから始めなさい」と言います。何度計画書を出してもT主任からOKをもらえません。

 困った私は、妙案を思いつきました。F主任は報告書に厳しく、T主任は計画書に厳しいのですから、逆にF主任に計画書を出して仕事を始め、T主任に報告書を出して仕事を終わりにすればよいのです。それを実施した結果、これまで以上に厳しく説教をくらいました。

 F主任とT主任の部下でなくなった今でも、何か新しい仕事に着手しようとするとき、「ちゃんと計画書を作ったのか?」「目的がわかっているのか?ちゃんと結果を出せよ!」という言葉がどこからともなく聞こえてきます。二人の主任には、心から感謝しています。

仕事が失敗したときに開き直るための言葉

 新しいテーマの記事は、皆さんに喜んでいただけず失敗するかもしれません。私には、失敗したとき自分に言い聞かせている言葉があります。これも新人時代の話ですが、私は失敗を隠したことがあります。やがて、その失敗は露呈し、こっぴどく叱られました。それも上司からではなく、お客様からです。

 お客様のところに謝りに行く際、私は缶入り飲料を1ケース持参しました(当時の私としては、かなりの失費でした)。私の父が取引先を叱るとき「菓子折りを持って謝りに来い!」とよく言っていたのを思い出したからです。ところが、この缶入り飲料は、お客様を激怒させました。「こんな物がほしいわけじゃない!」と怒鳴られ、2時間ぐらい説教されました。

 涙ぐんでいる私を見て、お客様は、最後に優しい言葉をかけてくれました。それは、「命を取られるわけじゃないんだから、そんなに落ち込むな。仕事に失敗は付き物だ。だから、失敗したことを怒っているんじゃない。失敗を隠そうとしたことを怒ってるんだ。それから、失敗を取り戻すのに必要なのは、菓子折りなんかじゃない。失敗の対策を持ってきてほしい」です。

 今でも仕事が失敗したとき、このお客様の言葉を思い出します。ちょっと長い言葉ですが、その中でも「命を取られるわけじゃないんだから、そんなに落ち込むな」が好きです。この言葉を自分に言い聞かせると、不思議と冷静になり(開き直り)、失敗の対策を考えられるようになります。大好きな言葉なので、今でも自分の机の隅にこっそりマジックで書いてあります。

皆さんを支えている言葉を教えてください

 自分の心の支えとなっている言葉を整理しただけでは、「人の真似をしてもダメ、自分の選んだ道を登れ!」という言葉に反してしまいます。自分流に工夫を加えたいと思います。それは、自分の好きな言葉だけでなく、他の人が好きな言葉も集めることです。この記事をお読みいただいた皆さんの心の支えとなっている言葉(言葉の常備薬)を、ぜひコメントとして投稿してください。今回は、「仕事を始めるとき」と「仕事が失敗したとき」をテーマとさせていただきます。コメントの書き込み、よろしくお願いします!