PR

SEマネジャに対する不満の問題

 2点目は,SEマネジャに対する不満の問題だ。筆者の現役時代もそうだったが,SEマネジャに多くの部下のSEが不満を持っている,また「SEマネジャはビジネスに弱い」「頼りにならない」と言う営業も少なくない。

 ここに一つのデータがある。このブログには読者が参考になったかどうかという投票欄がある。それを見ると,筆者のSEマネジャの記事に対して参考になったと言う人は投票者の80%~100%と高い。SEマネジャは「ビジネスに強くなれ」「ぶら訪問せよ」「SEに仕事は任せよ」「SEを塩漬けにするな」「営業に強くなれ」など筆者の記事に対する読者の評価だ。この票の中にはSEマネジャ自身の意見もあると思うが,多くの読者の方が「SEマネジャはもっとビジネスや顧客に強くなってほしい」「部下をもっと知ってほしい」などと思っているのだと思う。ある意味では,現在のSEマネジャに対する不満票とも言えよう。

 筆者の主唱の善し悪しはともかくとしても,多くの読者の方がSEマネジャに不満を持っているというのは事実である。「SEマネジャの方はこれらの不満をこのままにしてよいのか」と言いたい。社員のやる気を下げては生産性は上がらない。社員の成長にもマイナスである。ひいてはそれが部下の転職にまでつながる。

 「会社が悪いんだ。営業が悪いんだ。だから部下のSEは我慢せよ」では済まされまい。今の時代もそうだと思うが,筆者の時代もいろんなSEマネジャがいた。自分のSE時代には「SEばかりが苦労する」「SEマネジャは営業と闘うべきだ」「ボスは俺の顧客のことを何も知らない」などと上司に不満を持っていたのに,SEマネジャになるとそんなことはころっと忘れて,そのときの上司と同じことをやっていた人が結構いた。そんなSEマネジャがいる限り,SEや営業のSEマネジャに対する不満は永久に消えまい。いずれにしてもSEマネジャはこの不満の問題をこのまま放っておいてよいだろうか?。

 以上,SEが「俺たちは技術屋だ」と技術屋の殻に閉じこもってどうなったかという問題と,SEマネジャに対する慢性的不満の2点について述べた。この事実を,SEマネジャの方やSE関係者は眼を開けて直視してほしいと思う。「会社やSEはこれでいいんだ」と考える人はともかく「これではまずい。何とかしたい」というSEマネジャやSE関係者は,ぜひ逃げないで“自分の問題“として真正面からこの問題に取り組んでほしい。

 その”想い”と“頑張れSEマネジャ”という気持ちで筆者はこのブログや日経コンピュータの連載を書いている。ただ,重要なことは,今のSEマネジャの方々は過去の先輩SEマネジャがやっていなかったことをやることだ。出来る先輩SEマネジャならともかく,殻に閉じこもっていた人がやっていたことをやっても何の価値もないからだ。

 先輩SEマネジャがやっていなかったことは,それだけ難しい問題ばかりだと思う。だが,自分が正しいと思ったことを勇気をもってやってほしい。ゴールは顧客にご満足いただき,ビジネスがうまくいき,SEが生き生きと誇りを持って働けるようにすることである。なお、せんえつながら,そのために筆者のこれまでの主唱を参考にしていただければと思う。

 単にSEマネジャが「会社が悪い。営業が悪い」「馬場の意見は理想論だ。現場を知らない意見だ」などと評論家的に言っているだけでは何の解決にもならない。

 「SEマネジャはこのままでよいのか?」。これが今日の一言である。

 確かにSEマネジャの仕事は難しい。筆者も現役時代に相当苦労をした。顧客,ビジネス,営業,部下のSEの中で,どう考えてどう立ち回ればよいか。それはそう簡単ではない。そのためには,まずSEマネジャ自身が「IT企業のSEのあり方をどう考えるか。SEマネジャの立場をどう考えるか」という確固たる考え方を持つことだ。そうでないと話が始まらない。

 そこで,筆者の経験を基に,その考え方の原理原則を次回から書く。多くのSEマネジャの方の参考になれば幸いである。