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 読者の皆さん,2009年,明けましておめでとうございます。SEの皆さんは「今年はあれをやるぞ!」「今年こそは!」と新しい気持ちで新年を迎え,既に仕事を始められていることと思います。昨年12月の本コラムで“多くのSEは顧客の部長や課長を自分一人で訪問することが苦手だ。年末年始は顧客の部課長に挨拶する絶好のチャンスである。ぜひ顧客の部課長を訪問して挨拶し,今後の訪問のきっかけを作ってほしい”といった趣旨のことを書いた。

 SEの皆さんはもう年始の挨拶を部長か課長にされたでしょうか?まだの方はぜひやってほしい。SEマネジャの方もそれを自ら行い,部下を指導してほしいと思う。そこで今回はSEが部課長を訪問する時のポイントについて説明したい。読者の方々に少しでもお役にたてば幸いである。

SE訪問の価値

 とは言え,筆者が思うに,SEの中には「部課長訪問はSEマネジャの仕事ではないか。なぜSEがしなければならないのか」と疑問を感じている人もいると思う。SEの方々がそんな疑問を持っていては話が進まないので,それについて少し説明する。SEマネジャが顧客の部課長と話すのとSEが話すのとでは部課長の対応の仕方が大きく異なる。

 例えば,SEの馬場が顧客の課長と話したとすると,その課長は馬場を“SE個人”として見る。だが,馬場がSEマネジャだとその課長は馬場個人ではなく“会社”としてみられる。それは馬場がSEマネジャという”長“がつくベンダーの管理者だからだ。ややこしい話になると部課長は「と言われても,それは”貴社の問題“ではないか」と言われ,往々に会社対会社の話になりやすい。ユーザーの管理者としては文句を言いたくなくても言わざるを得ないことさえある。

 だが,相手がSEだと違う。SE個人として見られ,会社対会社の話にはなりにくい。顧客の部課長はSEをIT技術の専門家として対応され,自分が考えていることを率直に話して下さる。だが,SEマネジャだと必ずしもそうはいかない。そこにSEが顧客の部課長を訪問する価値がある。SEの部課長訪問に疑問があるSEの方は,ぜひこのことを考えてみてほしい。

訪問時の6つのポイント

 本論にもどり,SEが部課長訪問する時のポイントについて次に述べる。その主たるものは次の6点である。

 (1)まず,部課長を怖がらないことだ。別に部課長に取って食われるわけはない。“少々失敗して恥をかいてもよい。冷や汗をかいてもよい”と腹を据え度胸を決めて,部長や課長の席にまず行くことだ。そして,例えば「○○課長,少しお時間を頂けないでしょうか」と話し,続けて「プロジェクトの状況を話したいのですが」とか「我々の日頃の仕事のやり方についてのご意見を聞きたいのですが」とか「ちょっとご相談したいのですが」などと言うことだ。すると部課長は必ず「そうですか,ではいつが良いのですか」とか「来週何曜日なら良いですが」などと言われ,時間をとってくれるものだ。仮に「?」と言う態度を示されて断られた場合でも,諦めずに1~2週間後に再度腹をくくって申し込めば,必ず時間はもらえるはずだ。ただ,言うまでもないが,部課長の方と話す際には,失礼がないように服装・身だしなみ,言葉使いはきちっとしておくことは絶対である。

 (2)次に,部課長とは出来るだけ「1:1」で話すことが望ましい。きっとSEの中には「なぜ,1:1なのか?」と疑問を持つ人がいると思う。それは「1:1」の方がお互いが本音で話し合えるし,部課長の方も色んな質問をSEにしやすいからだ。多くのプロジェクトでユーザーとベンダーは進捗会議などの定例会議をやっていると思うが,ちょっとその会議のことを考えて見てほしい。その会議は往々に双方とも形式的な説明や討議になりやすい。ある意味では儀式のようなものでお互い本音の話にはなり難い。その上,部課長の方は部下やベンダーの人が大勢いる前では初歩的な質問も出来ないし,詳しく知りたい点があってもなかなか質問も出来ない。定例会議とはそんなものだ。だが,「1:1」ならば違う。部課長の方もSEも本音で話しやすい。部課長の方はITについて初歩的なことやプロジェクトの疑問点などもSEに質問しやすい。ぜひ,SEの方は「1:1」でやってみてほしい。すると必ず仕事が良い方向に進むし,部課長も喜ばれる。従って,もし部課長に時間を頂けないかと頼んだときに「誰か呼ぼうか」と言われたら「出来れば課長一人に」と話すことだ。