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 「2007年度から2008年度にかけて、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の売り上げが1.3倍に伸びている。今後も年率10%以上の成長を期待できる」。

 富士通グループで、アウトソーシングを中核に事業展開する富士通エフ・アイ・ピー(FIP)の伊与田悠社長は、BPOの需要拡大に大きな手ごたえを感じている。今後、富士通ユーザーを中心にBPOの提案活動を強化する考えだ。

 富士通FIPのアウトソーシング事業は、同社の売上高(2007年度に約900億円)の60%超を占める。日本IBM製メインフレームのホスティングなども手がけており、同社のデータセンターに設置されている機器の約4割は富士通以外の製品である。「顧客からの要望に応えてきた」(伊与田氏)結果という。

 全国14カ所にあるデータセンターの再編にも取り組んでいる。1992年に稼働した川崎のセンターは老朽化している。その一方で、「ここ2~3年、年に2000~2500台のペースでデータセンターのサーバー台数が増えている」(伊与田氏)ため、2010年度には満杯になってしまうのだという。

 そこで、2011年1月には新横浜にデータセンターを新設する。約130億円を投資する新データセンターは同社初の自前の建物で、約1万台のサーバー数を収納できる。これは既存の14カ所のデータセンターに設置されている台数の合計(1万2000台強)に匹敵する規模である。それでも、計算上は4年程度で満杯になってしまうはずなので、同一敷地内にもう1棟建設するプランも用意している。

ITアウトソーシングの案件は小粒に

 アウトソーシングの需要が拡大する理由について伊与田氏は、「ユーザー自身で運用要員を確保することが難しくなっており、運用するための場所もない。コスト削減の要請もあって、外部委託を決断するケースが増えている」と語る。

 こうしたユーザーの多くが利用するのはITアウトソーシング、つまりサーバーのホスティングやハウジングといったサービスである。だがここでの案件規模はこの3年間で半分に減っているという。サーバーなどの調達から運用までを任されるホスティングが減り、サーバーなどは顧客が独自に調達し、それを預かって運用するだけのハウジングへとユーザーがシフトしているためだ。さらに、サーバーを始め、センターに設置するハード機器の小型化が進んでいることも案件規模を小さくしている。

 しかしその一方で、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスは大きな成長を遂げている。BPOの案件規模の平均値は2007年度にITアウトソーシングを上回った。売上高も、2008年度には50億円強に達する見込みで、これは同社のアウトソーシング事業全体の約1割を占める規模だという。

 具体的なサービス内容は、コールセンター業務やプリンティング・デリバリ(帳票の印刷および配送サービス)など。同社のアウトソーシング・サービスの顧客は500社近くあるというが、その6割がBPOサービスを使っているという。

 自治体分野では、請求書などの出力・封入サービスを、既存のパッケージ製品と組み合わせて利用する例が増えており、水道料金関連や粗大ゴミの収集関連などで使われているという。一般企業向けでは、百貨店業界でお歳暮やお中元などの繁忙期だけ受発注を請け負い、コスト削減を実現した案件があるという。

 こうしたBPO案件を受注するには、ユーザー企業の業務プロセスを理解する必要がある。そこで、同社は社員を1年程度、ユーザー企業に常駐させる。また営業力を強化するため、富士通と共同で営業活動を展開する「サービスコンダクタ」と呼ばれる営業職の増員も計画する。現在の陣容は50人弱だが、「いずれ100人以上にしたい」(伊与田氏)考えだ。

■変更履歴
公開当初,本文中に「伊予田悠社長」との表記がありましたが,正しくは「伊与田悠社長」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/2/5 19:50]