PR

 中止か継続か。文部科学省が理化学研究所を通じて進めていた次世代スーパーコンピュータの開発プロジェクトが揺れている。きっかけは、事業仕分けを進める行政刷新会議が11月13日、次世代スパコン開発事業について「来年度の予算計上の見送りに限りなく近い縮減」という厳しい評価を下したことだ。

 しかし11月22日、菅直人副総理が「(開発事業予算の事実上の凍結は)見直すことになる」と表明、次世代スパコンの開発を巡り再度議論される方向になった。国策として開発を続けるべきなのか。続けるとすればどのように進めるべきか。次世代スパコンの開発を取材してきた島田昇日経コンピュータ記者に、日経コンピュータ編集長が質問した。島田記者と編集長が編集部で同席することはめったになく、以下のやり取りは電子メールによるものを,多少デフォルメしたものである。

編集長(以下,Y) 島田(以下,S)君、編集部で席が隣の割には最近会わないね。

S お言葉を返すようですが、編集長のほうこそ、ほとんど席にいらっしゃらないようですが。

Y いないのが悪いと言っているわけではない。記者がいつも編集部にいるというのは間違っている。編集長はいたほうがいいけれども。ところで今は何を取材しているの。

S 日本のスタートアップ企業の取材で飛び回っています。日経コンピュータの12月9日号に「いまどきのスタートアップ」という記事を書くためです。これって編集長が発案した企画ですよ。

Y そう言われると企画を押しつけているようで聞こえが悪い。記者の向き不向きを勘案し、その記者がもっとも力を発揮できる企画を考え、「こういうテーマで取材してはどうですか」と記者にお伺いを立てている、と言ってもらえないか。ところで菅副総理の発言を日経新聞で読んだのだが。

S 次世代スパコン開発の凍結を見直す発言ですね。事実上の凍結にはびっくりして、「次世代スパコン、事業仕分けで事実上の「凍結」と判定」と題した短い記事をITproに書きましたが、すぐに見直し発言が飛び出したことにも驚きました。

Y 常に驚く気持ちを持ち続けることは大事だが、驚いているだけでは記者の仕事にならない。

S すみません。凍結見直しについて記事を書いて送ります。

Y それも必要だが、日経新聞の一面に出た話をWebで後追いする、というだけでは寂しい。何かいい手はないのか。

S 関係者や識者の方に意見を伺って、それを次々に載せていくとよいのではないでしょうか。それからこれまでの経緯が分かるページを作ると読者に役立つと思います。

Y ではよろしく頼む。

S あのう、スタートアップの取材で、これからちょっと遠くまで出かけないといけないのです。というかそもそも移動中でして、取材が終わったら、まず記事を書きます。

Y わかった。まとめページのほうは、K副編集長に頼もう。

(3時間後)

S お待たせしました。菅副総理の発言を受けて記事を書きました(次世代スパコンの凍結、関係者の猛反発を受け政府・与党が復活を示唆」。

Y ITpro上にまとめページも取り急ぎ作ってもらった(次世代スパコンの国家プロジェクトは必要か」)。さて、ここからどうするかだ。

S 電車の中で考えたのですが、単に「どう思いますか」と聞くのは芸がないので、論点を数点まとめて、関係者ですぐに連絡がつく人たちに質問項目を送り、解答を並べて記事にしてはどうでしょうか。