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 12月8日から15日に開催したバーチャル・イベント「クラウド・フェスタ」は,イベント自体が新しい試みということで,Androidをテーマにしたブース「アンドロイドなう!」を担当した私としてもいろいろな発見があった。

 面白かったことの一つは,12月10日のイベントDayに企画した日本Androidの会の皆さんとの「ブースチャット」(公開討論会)である。2時間限定のブースチャットは日本Androidの会と司会(私)のやり取りが多くを占めてしまったが,途中“主婦” (肩書きは自称)の方も参加した。ちょうど日本Androidの会に「女子部」が出来た,というやり取りが始まったあたりである。

 この方の質問は,「Androidが入った携帯端末を使うと,何ができるのでしょうか?」というもの。「素人質問ですいません」と恐縮していたが,リアルなセミナー会場では人の目が気になって聞けないことを聞けるのも,バーチャル・イベントの良さだろう。ただ,これは極めて本質的な質問である。日本のような成熟市場においてAndroid搭載機や対応アプリの魅力を伝えるには,こんな質問に単純明快に答える必要がある。

 この質問に対して,AndroidエキスパートとしてAndroidの普及に努めている日本Androidの会の安生真氏は「グーグルらしい回答で言うなら,“何でもできる”だろう」と答えてくれた。私もその場では納得したのだが,今振り返るとこれは一般には分かりにくい回答かもしれないと思った。“何でもできる”の背景として,現在の携帯電話には制約が多いことを理解しておく必要があるからだ。

 制約を設けている理由の多くは,携帯電話が個人情報を扱うことによる。例えば,端末上のアプリケーション・ソフトウエアから電話帳を参照できない。アプリが自動的に片っ端から電話をかけるということを恐れているのかもしれないが,個人情報の集積とその関連サービスをつなぎ合わせたSNS(social networking service)に慣れたユーザーからみると,とても使いにくい印象があるはずだ。Webベースのサービスでは,IDの受け渡しをはじめ互いに連携するのが当たり前になっており,アプリ間の境目は非常にあいまいになっている。

 「Androidで何ができるのか」に対する答えの一つは,マルチタスク処理とマッシュアップ。Androidでは複数アプリを同時処理できるので,裏側で走らせているアプリの挙動と連動した「何か」が期待できる。先日お会いしたAndroidアプリの開発者は「とても個人では開発できない高精度の検索機能や音声認識が,あたかも自分のサービスのように利用できることが面白い」と興奮していた。

 そうは言っても「何ができる?」に対する明快な回答は,誰もが「これはAndroidならでは」と納得できるアプリそのものだろう。ITproが主催するAndroid向けアプリのコンテスト「Android Application Award 2010 Spring」や,開発者向けの支援サイト「Android Developers’ Inn」を通じてそんなアプリが登場することを願っている。12月17日には,コンテストを特別協賛しているソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズから今回のコンテスト用の評価機「Xperia」向けSDKも公開された(サイトはこちら)。Android向けアプリ開発がさらに加速することを期待したい。