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 「クラウド・コンピューティング」と「Windows 7」が、2009年に続いて、2010年も注目を集める――。2009年12月後半に、ITproが実施した「ITpro読者が選ぶ 2010年注目のITキーワード」調査では、「2010年に注目したいキーワード」(表1)と「2009年に注目したキーワード」(表2)のいずれでも、両キーワードが1位と2位にランクインした。また、「2010年に注目したいキーワード」として、「2009年に注目したキーワード」における順位から大きく躍進したのは「プライベート・クラウド」である。なお、この記事では以降、「2010年に注目したいキーワード」における順位を「2010年の順位」、「2009年に注目したキーワード」における順位を「2009年の順位」とする。

表1●2010年に注目したいキーワード
(有効回答数=2803)
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表2●2009年に注目したキーワード
(有効回答数=2803)
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 今回の調査では、ITpro編集部が「マネジメント/情報システム」「プラットフォーム」「ネットワーク/モバイル」「セキュリティ」「ソフト開発」の各分野でそれぞれ20~30個、合計124個のキーワードを選び、ITproの読者の方に「2010年に注目したいキーワード」「2009年に注目したキーワード」をそれぞれ複数選択していただいた。アンケートの実施期間は2009年12月14日から12月28日。アンケートの実施については、ITpro会員向けに発行しているメール・マガジン、およびITproサイト上で告知し、2803人から回答を得た。

プライベート・クラウドは注目度が急上昇

 クラウド・コンピューティングに関しては、アマゾン、グーグル、セールスフォースといった先駆者に続いて、IBM、マイクロソフト、国内の主要ベンダーも2009年に相次いで参入。2008年の登場当時に一部でバズワード扱いされていたクラウド・コンピューティングだが、ここに来てほぼ認知されたと考えてよいだろう。

 ただし、クラウドとひとまとめにされる技術の“実体”については、まだ議論の余地が残されている(関連記事)。企業で利用するにあたっては、サービスの本質を見極める慎重な姿勢が求められる(関連記事)。

 2010年に注目したいキーワードとして、2009年の48位(424票)から大幅に順位を上げた「プライベート・クラウド」は、特定の企業や企業グループ向けに提供されるクラウド・サービスなどを指す。プライベート・クラウドという言葉が使われるようになるにつれて、対比させるために、不特定多数のユーザーにサービスを提供するクラウドを「パブリック・クラウド」と呼ぶことも増えてきた。プライベート・クラウドのベースとなる仮想化技術の普及につれて、今後、大企業を中心にプライベート・クラウド指向が高まっていくものと見られる(関連記事)。

 2009年10月に一般向け販売を開始したWindows 7は、Windows Vistaの不評を“追い風”にする格好で注目を集めると同時に、順調に販売を伸ばしている。今後予想される、企業で使われている大量のWindows XP搭載パソコンのリプレースに備えて、環境移行に関する情報を収集しておく必要があるだろう。

パンデミックは注目度が大きくダウン

 2010年のランキング上位に、クラウドやWindows 7、Androidといった最近のキーワードに交じって「IPv6」が食い込んでいることは要注目である。2010年の9位にランクインしている「IPv4アドレス枯渇問題」も以前から指摘されていたが、現実の問題として認識され始めたのだろう。

 2010年のランキングで11位(688票)に入り、2009年の88位(217票)から大きく得票を伸ばしたのは「暗号の2010年問題」である。「暗号の2010年問題」は,米国政府の使用する暗号技術を決めている米国国立標準技術研究所が,強度が弱い暗号技術の使用を2010年に停止する方針を発表したことに端を発した(関連記事)。米政府が利用を中止したからと言って一般の企業ユーザーや個人ユーザーがこれらの暗号を使えなくなるわけではないが、セキュリティの観点から何らかの対策を準備しておく必要があるだろう。

 2010年に注目したいキーワードとしての順位が、2009年の順位から大幅に下落したものもある。顕著なものとして、2009年の4位(1407票)から2010年の42位(397票)になった「パンデミック(新型インフルエンザの大流行)」、2009年の6位(1143票)から2010年の65位(266票)になった「内部統制/日本版SOX法」、2009年の7位(1121票)から2010年の77位(236票)になった「ネットブック」が挙げられる。

 パンデミックに関しては、たとえ今回の新型インフルエンザ騒動が沈静化したとしても、今後、別の形で問題が発生する可能性は大きい。そのときになって慌てないように、落ち着いている今のうちから対策を打っておきたい。

 ITproでは今回の記事に続いて、「マネジメント/情報システム」「プラットフォーム」「ネットワーク/モバイル」「セキュリティ」「ソフト開発」の各分野における「読者が選んだ2010年のITキーワード」の解説記事を、1月18日の週の特集として公開する予定である。なお、2008年末に実施した前回の調査については「読者が選んだ2009年のキーワード」をご覧ください。