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最も安く、予想を超えた品質

 経産省は、IT政策をテーマとした第2回のアイディアボックス開設を決定する。見積もりには数社が参加した。SugarCRM日本語ドキュメントプロジェクトは、一般社団法人 オープンビジネスソフトウェア協会を設立し見積もりを提出した。提案には、開発したアプリケーションをオープンソース化し、他省庁や自治体が利用できるようにすることも織り込んだ。結果、「価格が最も安く、提案内容も優れていた」(経産省 商務情報政策局情報政策課情報プロジェクト室長補佐 守谷学氏)ことから、オープンビジネスソフトウェア協会がSaaSとして開発、運用を受注した(経済産業省アイディアボックスに関する契約関係情報)。

 新しいアイディアボックスは2010年2月16日にプレオープン。2月23日に正式オープンし、3月16日まで意見やコメントを受け付けた。登録したユーザーは3799人、アイディアは936件、コメント5974件といずれも前回の2倍を上回った。「依頼していた水準を超えたサービスで、要望に対するレスポンスも早かった」と経産省の守谷氏はオープンビジネスソフトウェア協会のサービスを評価する。

OpenID、Twitterに大きな反響

 またアイディアボックスは「経産省として初めてのOpenID対応やTwitter連携」(経産省 CIO補佐官 平本健二氏)も盛り込まれた。OpenIDは、他のサイトのIDとパスワードを使ってログインできるユーザー認証の規格。新しいアイディアボックスでは、Google、mixi、ヤフー、ライブドアのユーザーIDで利用できるようにした。また登録されているアイディアをTwitterやはてなブックマーク、deliciousに投稿することができる。経産省として初めてTwitterアカウント「@openmeti」を開設、公式ハッシュタグとして「#openmeti」を設定するなど、ソーシャルメディアとの連携を図っている。

 Twitter連携については、「Twitterから入ってきたユーザーが相当数いた。またTwitterでリアルタイムに議論の盛り上がりが伝わることで、一度訪れて終わりではなく『今日も行ってみよう』と思ったユーザーが多かったようだ。その意味でTwitterの利用は成功だった」(経産省 平本氏)と振り返る。OpenIDについても「こんなに反響があるとは思わなかった。やってよかった」(経産省 守谷氏)と手ごたえを感じている。

オープン、“産地直送”が費用対効果を高めた

写真●オープンビジネスソフトウェア協会のメンバー
写真●オープンビジネスソフトウェア協会のメンバー
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 大幅なコスト削減が実現できた理由はいくつか挙げられるだろう。まず、オープンな対話の中で、発注者側が情報をすべて公開したこと。次に、それにより中小を含め多くのベンダーが提案に参加できたこと。受注した側がオープンソース・コミュニティをベースにした、固定費の小さなネットワーク型組織だったこと。そして、発注者と受注者がダイレクトにつながったことだ。

 経産省では、前回に比べコストが大幅に下がった理由をこう分析する。「最初にアイディアボックスをやって、その過程や成果を、金額も含め全部オープンにした。そのことで、多くのベンダーに提案に参加してもらうことができ、競争が促進された」(経産省 守谷氏)。

 1カ月90万円という金額を実現できた理由として、オープンビジネスソフトウェア協会は、それぞれに本業を持つ専門家が得意分野でピンポイントで力を出し合うという体制、かつ発注者と開発者の間に仲介者が介在しない形態をとれた点を挙げる(プロジェクト体制を示したオープンビジネスソフトウェア協会の発表資料)。開発は「打ち合わせに行った人間がプログラムを書く“産地直送”だった」(オープンビジネスソフトウェア協会 門間義之氏)。またオープンビジネスソフトウェア協会はアイディアボックスのシステムをオープンソース・ソフトウエアとして公開し、他省庁や自治体が自由に利用できるようにする。

「世界一費用対効果の高いオープンガバメントを日本に」

 「米国では、行政参加だけでなく行政透明化という観点から、Data.gov、Recovery.govなど実に様々なシステムが作られている。それと比べれば、今の日本は、そうした国民に情報を提供するシステムがほとんどないと言っていい状況。しかし、日本の中小ベンダーがオープンガバメント実現のためにと立ち上がり、アイディアボックスを月90万円で提供してくれるようになった。世界で最もコストパフォーマンスの良いオープンガバメントを日本に築けるかもしれない」と、経産省のTwitterアカウント@openmetiはつぶやく。

 アイディアボックスの実施結果は3月19日、鳩山総理が本部長を務めるIT戦略本部で報告された。寄せられたアイディアがどれだけ政策に生かされるのかはまだこれからだが、経産省では2010年度予算として、開かれた行政を実現するためのオープン行政システムに1億円を計上しており、国民との対話を継続していく方針だ。