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 中小規模の企業ネットワークでは、日ごろの運用から突然のトラブル対策まで、たったひとりの管理者がすべて面倒をみるというケースが少なくない。少し前のことになるが、それを強く実感する機会があった。

 「30人程度の会社で管理者は私ひとりです。相談する相手がいません」「会社では『こんな程度わかるだろう』という雰囲気でなかなか教えてもらえません」---。いずれも日経NETWORKが主催したネットワーク管理者向けセミナー「ネットワークコマンド&ツール実習講座」のアンケートに書き込まれた参加者の声だ。

 実際、セミナーが終わるやいなや講師のところに詰めかけて、いま自分が抱えているネットワークの問題について相談する参加者が引きも切らなかった。普段相談する人がいない証左のように筆者には思えた。なかには質問というよりも、ホワイトボードに自らネットワークの構成図を書き、事細かく状況を説明する人もいた。

 相談する相手や教えてくれる人がいない、いわば「ひとり管理者」にとっての頼もしい味方がネットワークコマンドだ。

ネットワークコマンドに三つの利点

 ネットワークコマンドとは、WindowsなどのOSが標準で備える操作・確認用のコマンドのこと。最近では、グラフィカルで多機能なネットワーク管理ツールがいくつもある。無償で使えるものも多い。それでもネットワークコマンドの人気はいまだに衰えない。前述のセミナーを今年の4月から7月にかけて合計で4回開催し、250人を超える参加者を得ることができたのもそれを裏付けていると思う。

 なぜ今でもネットワークコマンドなのか。「軽快さ」「汎用性」「拡張性」という三つの利点があるからだ。

 第1の利点である軽快さとは、必要なときに欲しい情報がすぐに手に入るということだ。ネットワークの挙動がいつもと違うと思ったら、コマンドプロンプトをさっと開くだけで、様々なネットワークコマンドを実行できる。そして、すぐに結果が出る。

 ほとんどのパソコンで何も用意しなくても使えるというのが、第2の利点である汎用性である。ツールをインストールしたパソコンをわざわざ持ち歩く必要がない。そもそも勝手にパソコンをつなぐことを禁止されているケースもある。そんなときでも、コマンドの使い方を知っていれば必要な作業がこなせる。

 もう一つの利点である拡張性は、複数のコマンドを自由に組み合わせて、いろいろな使い方ができることを意味する。一つひとつのコマンドは単機能でも、複数を組み合わせることで多機能にできる。工夫次第で、市販ツールに引けをとらない複雑な処理もこなせる。

サーバーのトラブル原因を突き止めるコマンドの必勝パターン

 ここでは複数のネットワークコマンドを組み合わせた例として、Linux系のサーバーに何かトラブルが発生した場合にその原因を突き止める“ネットワークコマンドの必勝パターン”を紹介しよう。チェック項目は以下となる。

  1. クライアントのIPアドレスは正しいか
  2. サーバー自体が停止していないか
  3. ネットワーク経路の途中で止まっているところはないか
  4. DNSによる名前解決は正しいか
  5. サービス(アプリケーション)は起動しているか
  6. 利用するポート番号は正しいか

 そして各項目は次のネットワークコマンドを実行することでチェックできる。

  1. ipconfigコマンド
  2. pingコマンド
  3. tracertコマンド
  4. nslookupコマンド、nbtstatコマンド
  5. telnetコマンド、psコマンド
  6. telnetコマンド(ポート番号を指定して実行)

 上記のネットワークコマンドを順番に実施し、どこかで正常にいかないポイントがあれば、そこから原因を切り分けていけばいい。いずれのコマンドも、パソコンがWindows XPならそのまま打てるし、Windows 7/Vistaなら一部の設定作業(Telnetクライアントの機能追加)を必要とするものの、何かソフトをダウンロードしてインストールという手間は要らない。

 いざトラブルというときに備えて、一度これらのネットワークコマンドを試してみてほしい。サーバーが問題なく稼働しているときにこの必勝パターンを実行し、正しい状態を確認・記録しておくことが大事だ。

 この必勝パターンだが、筆者が考えたものではない。前述した日経NETWORK主催セミナーで講師を務めたトライポッドワークスの遠藤 一義氏が、自身の経験から編み出したものだ。

 日経NETWORKでは、この必勝パターンを実機で習得できるハンズオン型セミナー「ネットワーク活用&トラブルシューティング実践講座」を12月3日に開催する。会場にはサーバーやルーターなどの機器を使って実習用のネットワーク環境を構築。参加者ひとりに1台のパソコンを用意し、講師の遠藤氏が参加者と一緒に実機を使いながら講演するスタイルだ。

 ひとりで困っているネットワーク管理者の方にはぜひ参加してほしい。悩んでいるのがあなただけではないことを、会場で実感していただけるはずだ。