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アプリが主役の時代

 端末の同質化が進むと、ユーザーにとってはどの端末を選択するか、ということよりも、どのアプリを選ぶか、あるいはどんなアプリを作るか、が重要になります。スマートデバイス、とりわけタブレット型のスマートデバイスが活用できる分野としては、営業、教育、医療が有望だと言われています。営業では商品のプレゼンテーションや営業マンのスケジュール管理、教育では学習支援や遠隔授業、医療では臓器や血管の画像データの確認などのアプリが使われています。

 私はこれらの業種固有のアプリ以上に、汎用的なアプリにもっとニーズがあると考えています。その一つが『相談アプリ』です。私のチームで開発した相談アプリは離れたところにあるiPadの間で資料を共有し、iPadのマイクとスピーカーを使って相談することができます。一方のiPadユーザーが資料のページをめくると、他方のiPadに表示された資料のページもめくれます。シンプルな機能ですが、シンプルであるがゆえに利用できる場面が多いのです。例えば、現場の工事担当者とオフィスの設計者間での相談、ネットを介した家庭教師、さまざまな商品の対面販売などです。

 2010年はスマートデバイス元年とも言える年でした。もの珍しさが先行し、とにかくiPadを使えばニュースになって先進的な企業だと思われました。2011年はスマートデバイスの実用元年になります。端末ではなく“本当に役に立つ”アプリが注目されるフェーズに入ったのです。

講演はなぜ面白いのか

 東京国際フォーラムでの講演のアンケート結果が出た。5段階評価で「とてもよかった」というのが最高なのだが、筆者の講演はその割合が64.5%で124セッション中、一番だった。

 講演は興味を持って聞いてもらえないと意味がない。だから、役に立つだけでなく、面白くなければならない。そのためには講演内容に「独自性があること」「ストーリーが通っていて分かりやすいこと」「事例やデータの裏付けがあること」が大事だ。そして、話し方にもコツがある。“間”を持つことが第一。聞いている人の表情も見ないで、スライドに書いてあることを早口でしゃべりまくるような講演は最悪だ。相手の反応を見ながら、話を止めて間を取ったり、声に強弱をつける余裕がいる。

 資料(スライド)に書いてあることを話すのはせいぜい70%にとどめること。スライドに書いていないことを30~40%は話すことだ。上記のCEATECのエピソードはその一例だ。GALAXY Sへの関心の高さが理解してもらえるし、筆者の取った行動に面白さを感じてもらうこともできる。スライドに書いてあることだけを話す講演は、砂をかむように味気ない。