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 昨年、「今日の一言 2010年版」で述べたが、筆者はSE時代に“SEをモノ扱いするビジネスのやり方”や理不尽な営業担当者と闘った。それは大型コンピュータなどを売るために「このシステムを買って頂ければSEを無償で○人常駐させます」というビジネスのやり方や、SEを子分扱いする営業担当者を筆者のSEとしての誇りが許さなかったからである。筆者はその後SEマネジャーになったが、SEマネジャーになってもこの問題と真正面から闘った。今回はそれについて述べる。

 SEマネジャーになった筆者には、「自分はSE時代にSEのあり方について結構悩んだ。その苦い経験を部下のSEにはさせたくない」という思いが強かった。また、SE時代の経験から「SEが顧客をつかめばビジネスはうまくいく」ということも確信していた。

部下のSEを徹底指導した

 そしてそれを自分のグループでぜひ実現したいと考えていた。それは、とりもなおさず、SEマネジャーとして“SEをモノ扱いするビジネスのやり方”やSEを子分扱いする営業担当者と闘うことだった。

 そこで筆者は部下のSEをその方向へ徹底指導をした。指導したポイントは「お客様をつかめ」「営業にばかにされるな」「ITをしっかり身につけろ」「チームワークを疎かにするな」――。この4点だった。

 では具体的に部下に何を指導したか。まず、(1)SEが顧客をつかむために「顧客が困っていたら助けろ。顧客より一歩先を考えろ。顧客の立場で考えろ。裸になって顧客に当たれ。部課長を訪問せよ。約束は守れ。分かりやすい資料を作れ」と部下に要求し、徹底指導した。前々回の「SEは受注システムを稼働させるだけでは顧客をつかめない」で述べたように、これらは筆者がSE時代に実践していたことだ。

 また、(2)「顧客をつかめ。マニュアルを読め。仲間が困っていたら無条件で助けろ」「システム開発は当たり前、ビジネスに強くなれ。営業に迎合するな。誇りを持て」と、げきを飛ばした。それは部下に第一線のSEのあり方の原点を教えるためだった。

 そして、(3)それらを後押しするために筆者は「俺はSEの体制図は顧客には出さないし、SEの貼り付けや常駐はさせない。正論なら顧客や営業担当者と喧嘩してもよい。困った時には必ず助けてやる」と部下に公言していた。そのほか、営業マネジャーに頼んで、グループ会議でビジネスの話をしてもらい、部下にビジネス意識を植え付けるなど知恵を絞っていろいろなことに取り組んだ。

SEの多くは顧客に信頼され、ビジネスに強いプロに

 きっと(1)(2)については、読者のSEの中には「そんな要求はSEマネジャーとして横暴すぎる。納得できない」などと異論のある方もいると思う。確かに当時の部下の中にも「これまでのSEマネジャーはそんな要求はしなかった。なんでSEがそこまでやらねばならないのか」と文句を言うSEがいた。

 しかし、筆者は「それでSEがイキイキ働けて、成長でき、ビジネス目標も達成できれば文句を言われる筋合いはない」と考え、結構強引にやった。もちろん、筆者自身も部下に要求するだけではなく、SEマネジャーとして様々なことをやった。