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震災時の安否確認ツールとして利用

 ソーシャルメディアは、3月の東日本大震災でどのように使われたのか。ITpro読者は23.3%が「家族や友人、知人、従業員の安否確認」に役立ったと回答した(図5、複数回答可)。地震発生直後は被災者の安否を気遣う電話やメールが急増し、通信事業者が9割前後の発信規制をかけた。そんな中、比較的安定して情報をやり取りできたソーシャルメディアが存在感を高めた。

図5●東日本大震災でソーシャルメディアはどう役立ちましたか(最大3つ、N=2216)
図5●東日本大震災でソーシャルメディアはどう役立ちましたか(最大3つ、N=2216)

 さらに、「テレビや新聞の報道内容の確認」(22.6%)や「被災者が直接発信する情報の収集」(20.2%)、「政府機関や自治体の公式情報の収集」(20.1%)など、情報収集の手段としてソーシャルメデイアを活用する例も目立った。

 背景にあるのが、震災を通じてソーシャルメディアでやり取りされる情報の信頼性が増したことだ。ソーシャルメディア利用者のうち、15.3%が「既存メディアよりも信頼できるメディアになった」、15.2%が「既存メディアと同様に信頼できるメディアになった」と回答した一方で、「かえって信頼度が下がった」と答えたのは4.6%に止まる(図6)。

図6●東日本大震災の発生前と発生後で、ソーシャルメディアに対する認識は変わりましたか。新聞やテレビ、ネットニュースといった既存メディアと比較してお答え下さい(N=2216)
図6●東日本大震災の発生前と発生後で、ソーシャルメディアに対する認識は変わりましたか。新聞やテレビ、ネットニュースといった既存メディアと比較してお答え下さい(N=2216)

 震災を通じてソーシャルメディアの課題も浮き彫りとなった。ITpro読者の63.2%が「デマや誤った情報が広がりやすい」と回答、34.1%が「匿名の利用者が多く情報が信用できない」という問題点を指摘した(図7、複数回答可)。

図7●ソーシャルメディアの問題点は何だと思いますか(最大3つ、N=2216)
図7●ソーシャルメディアの問題点は何だと思いますか(最大3つ、N=2216)

 回答者からは、ソーシャルメディアの重要性や普及の見通しについて多くのコメントが寄せられた。ソーシャルメディアの普及を好意的にとらえている人がいる一方で、流通する情報の信頼性に懸念を示す意見も多く見られた。いくつかピックアップしてみよう。

  • 多くの人々の多様な考え方や意見に触れるツールとして有効と考える
  • 震災後はソーシャルメディアの有効性に注目が集まった。単なるコミュニケーションツールから、戦略的な情報ツールとして認知されるようになった
  • 仕事で利用できるようにガイドライン等を作り、積極的に関わるべきだ
  • 情報の収集には大いに役立つと思うが、信憑性をどう考えるかが運用上の問題になる
  • 日本ではビジネスユースよりも、プライベートユースが増えると思う
  • 一部利用者のみで盛り上がっているとの認識。良い点が理解できない
  • 匿名性により無責任な情報発信が大量にされていることで、正確で有益な情報がつかめなくなっている
  • 個人的には「食わず嫌い」ではいけないと思っている
  • 情報が玉石混淆で、きちんと利用するには使う側の知識と能力が必要。良く切れるナイフと同じで、使い方を間違えると怪我をすると思う