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 昨年のゴールデンウィークは四国の実家に帰り、徳島の山奥にある温泉に行った。今年は海だ、ということで、しまなみ海道で瀬戸内海を渡り尾道へ行った。もちろん、尾道を選んだのはNHKの連続テレビ小説「てっぱん」の影響だ。ドラマを熱心に見たわけではないが、大林信彦監督の「転校生」(1982年)を見て以来、いつか行ってみたいと思っていたところだ。尾道水道に面した坂の町は、長いアーケードの商店街が今もにぎわっている、ちょっと古びてこじんまりした、いい町だった。

 さて、今回はOpenFlowという新しいネットワーク技術の特徴とメリットについて述べたい。OpenFlowはスタンフォード大学を中心とするOpenFlowコンソーシアムで標準化が進められている技術で、2009年12月にバージョン1.0が制定された。OpenFlowを実装した製品は2011年4月にNECから世界で初めて出荷され、大規模データセンターなどで稼働している。

目的が従来のパケット系技術とは違う

 20年以上もネットワークの仕事をしていると、自ずと頭の中にネットワーク技術の歴史が刻まれる。

 1980年代に異機種ホストのネットワーク統合で活躍したX.25(低速・低品質な回線でも使えるパケット通信方式)、90年代前半にデータ・音声統合で使ったフレームリレー(光ファイバーなどの高品質回線を前提にX.25の誤り制御を簡略化し高速化したパケット通信方式)、90年代後半にデータ・音声統合と高速通信で使ったATM(非同期転送モード、53バイト固定長のセルというパケットを使い高速なマルチメディア通信を可能とした通信方式)、2000年代に登場しネットワークのシンプル化と高速化を実現したIP-VPNや広域イーサネットと、歴史は流れた。

 これらの技術はパケット、フレーム、セルと名前は違ってもすべてパケット系技術だ。パケット系技術の目的は経済性、信頼性、拡張性などの向上が挙げられる。しかし、一つだけ挙げるなら「回線の効率的利用」、つまり回線コストを安くすることだ。パケット交換機やATM交換機は1セットで数千万円や億円単位だったが、それでも回線料金が高価だったため、それらを導入することで経済効果が得られた。

 だが、OpenFlowの目的はパケット系技術とは全く違う。回線コストだけでなく、設備コスト、運用コスト、エネルギーコストを削減するのがその目的だ。その仕組みをIPによるルーティングと比べて見てみよう。