PR

 2011年7月1日、政府は東京電力、東北電力管内の契約電力500kW以上の大口需要者を対象とする電力使用制限令を発動した。電力使用制限令が発動されるのは、第1次オイルショック以来の約37年ぶりとなる。

 この電力使用制限令は、電気事業法第27条に基づくもの。対象者はピーク電力を15%削減しなければならず、故意による違反者には100万円以下の罰金が科せられる。また、罰則はないが契約電力500kW未満の小口需要者や家庭も一律15%のピーク電力削減が求められている(関連記事)。

 東京電力、東北電力管内の企業各社は、既にさまざまな対策を講じているだろう。オフィスの空調の設定温度が高めに設定され、暑い仕事環境に四苦八苦しているビジネスパーソンも数多いと思われる。

 ただ、今夏の節電でポイントとなるのは「ピーク電力の削減」ということだ。平日13時~17時頃と言われるピーク時間帯の電力需要を、いかに抑えるかがカギとなる。

 もちろん、「省エネ」「地球温暖化防止」などの観点から、電力使用量そのものを削減していくことにも大きな意義がある。とはいえ、電力供給力不足による大規模停電や計画停電を避ける、という目的だけを考えた場合は、これまでピーク時間帯に使っていた電気をいかに別の時間帯にズラすかが大事になる。つまり「ピークシフト」である。

NEC、東芝、パナソニック、富士通、レノボなどが対応機種を発売

 このピークシフト機能を搭載したノートPCが、メーカー各社から続々と登場している。ノートPCのピークシフト機能とは、あらかじめユーザーが設定した時間帯になると、自動的にAC電源からの給電を中止し、バッテリー駆動に切り替える機能のことである。NEC、東芝、パナソニック、富士通、レノボ・ジャパンといったメーカーが、2011年の春夏モデルで対応機種を発売した(表1)。

表1●各社のピークシフト機能搭載ノートPC
メーカーソフト名称対応機種(主なもの)詳細ページ
NECピークシフト設定ツール法人向け2011年春夏モデルのVersaProタイプVD/VX/VA/VL/VR、個人向け2011年夏モデルのLaVie L/S/E/M/G/Lightなど法人向け
個人向け
東芝東芝ピークシフトコントロール法人向け現行ラインアップ全機種(dynabook R731/R741/R751、dynabook Satellite B651、dynabook B551/B450)、個人向け2011年夏モデルのdynabook Qosmio T851/T751、dynabook R731法人向け
個人向け
パナソニックピークシフト制御ユーティリティLet's note CF-B10、CF-F10/F9/F8、CF-S10/S9/S8、CF-N10/N9/N8、CF-J10/J9、CF-C1、CF-Y9/Y8など法人/個人向け
富士通ピークシフト設定LIFEBOOK NH/AH/SH/PH(2011年夏モデル)、LIFEBOOK AH/SH/PH(同年春モデル)、FMV-BIBLO LOOX U(2010年夏モデル)、FMV-BIBLO NW/MG/LOOX M/LOOX U(同年春モデル)など法人向け
個人向け
レノボ・ジャパンThinkVantage省電力マネージャー2011年モデルのThinkPad T420/T520/W520/X1/X220/L420/L520、2010年モデルのThinkPad T410/T510/W510/X201/L412/L512/Edgeなど節電ガイド(法人/個人向け)

 このほか、日本ヒューレット・パッカードも2011年4月および6月に発表した法人向けノートPC全機種を対象に、ピークシフト機能を追加した「HP Power Assistant 2.0」をダウンロード提供する予定だ。ダウンロードサービスの開始は、7月下旬を予定しているという。

 また、2010年以前のモデルにも対応機種は存在する。富士通のように2008年春モデルのFMV-BIBLOに対応機種を用意するなど、古い機種でもピークシフトを利用できる可能性はある。

 旧機種はもちろん、最新の機種でも対応ソフトをメーカーのWebサイトからダウンロードすることでピークシフト機能を使えるようにしているケースが多い。今後、対応機種を増やしていくとするメーカーも少なくない。まずは、メーカーのWebページにアクセスして確認してみるとよいだろう。

 東日本大震災の被害によって電力供給力不足が顕在化し、にわかに脚光を浴びているピークシフト機能ではあるが、同機能そのものは意外に歴史が古い。その始まりは、レノボに売却される前のIBM時代のThinkPad。2002年2月発売の「ThinkPad R31シリーズ」だ。このときは、使用電力負荷の平準化によって電力コスト削減を進めたり環境対策に寄与したりしたいと希望する企業に応えるのが目的。そのため、ピークシフト制御を担うソフトは標準添付ではなく、導入を希望するユーザーに無償で提供していたという。

 東芝も2002年10月発売の「DynaBook Satellite 1860シリーズ」でピークシフト機能に対応し、ThinkPadと同様にユーティリティソフトを希望ユーザーに無償配布した。