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 7月の23日と24日、情報化研究会の旅行で山口県の長門市、萩市、山口市を訪れた。メインの目的地は金子みすゞの生地、長門市だった。金子みすゞは、ACジャパンのテレビCMで朗読された『「遊ぼう」っていうと 「遊ぼう」っていう』のフレーズで有名になった「こだまでしょうか」という詩の作者だ。昨年の旅行は大河ドラマで興味を持った武市半平太と岡田以蔵の墓参りのため高知へ行ったのだが、今年一番関心を持ったのが金子みすゞだったので旅行先をここに決めた。

 長門市は、青く豊かな日本海に面し、背後には緑濃い中国山地が広がる、のどかなところだった。みすゞの生家跡に建てられた記念館の壁面には、詩の手書き原稿がたくさん展示されている。その中から、旧仮名遣いで書かれた「こだまでせうか」(写真1)を見つけた。小学校6年生くらいの、子供が書いたような字だ。

写真1●金子みすゞの「こだまでせうか」
写真1●金子みすゞの「こだまでせうか」

 さて、本題に入ろう。企業ネットワークが進化するきっかけには、技術革新と利用革新がある。新技術が登場してネットワークが変わるのは普通のこと。“思いがけない利用実態”が変化のきっかけになるのが利用革新だ。今回は、最近筆者が経験した利用革新と、それに対応するネットワーク設計について述べたい。

通信コストの60%は電話

 昨秋、筆者の講演を聞いたお客様から、ネットワーク設計・構築の依頼をいただいた。設計に先立つ現状調査で、筆者が想像していた利用実態と実際が大きく違うことに驚いた。年間数億円に上る通信コストに占める電話の費用が、なんと60%もあったのだ(図1の左のグラフ)。

図1●イニシャルコストなしでコスト削減&利便性向上
図1●イニシャルコストなしでコスト削減&利便性向上

 電話の利用は年々減っている。総務省の情報通信白書によると、2000年には固定電話と携帯電話を合わせて全国で年間70億時間あまりの通話があった。それが2009年には42億時間を切るまでに減少した。利用が減っているのだから電話の費用も減っているはずだ。コストを削減するには、データ系のネットワークに焦点を当てればいいと思っていた。

 ところが、利用が減っているはずの電話のコスト比率が60%もあったのだ。これを何とかしないとコスト削減はおぼつかない。さらに電話の費用のうち60%が携帯電話の費用であることも分かった。

 通信コストの実態には業種業態による違いがあるにしても、電話の費用は想像しているより多いようだ。ちなみに、このお客様は400拠点を超える大規模ネットワークを持つ製造業の会社である。