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 2011年10月1日、BSデジタル放送のチャンネル数が一気に倍増した。それまでは12チャンネル(このうちNHKを含む無料放送は10チャンネル)が提供されていたが、新たに12チャンネルが開局し、BS放送チャンネルの数は合計24チャンネルとなった。新チャンネルのうち、有料放送は10チャンネル、無料放送は放送大学学園のテレビ放送とラジオ放送で合計2チャンネルである。

 2012年3月にはさらに7チャンネルが加わり、31チャンネル体制となる。最終的な内訳は、有料放送が18チャンネル、無料放送は13チャンネルとなる。2011年9月時点のBSの有料放送はWOWOWとスター・チャンネルの2チャンネルだったので、当時に比べて有料放送の数は9倍に増えることになる。

 今年から来年にかけて行われる新チャンネルの開局は、有料放送チャンネルを運営する番組供給事業者(番供)や、複数の番供からのチャンネルを束ねて提供する多チャンネル放送事業者にとって、有料放送を多くの人にアピールする格好の機会となる。BSで新チャンネルを開局した番供は、業界団体の「デジタル放送推進協会」(Dpa)と共同で、パワーアップするBSの魅力をPRする活動を2011年9月から順次行っている(関連記事:10月の新BS放送開始を控え普及キャンペーン、新キャラクターの「BSマン」を多面展開)。さらに数社の番供は、それぞれ開催した会見で説明した通り、10月から独自に開局キャンペーンを展開している(関連記事:BS新規参入事業者が8月下旬に相次いで会見、F1層がターゲットとFOX)。

 こうした中で、多面的な活動を行っているのがスカパーJSATだ。同社は多チャンネル放送事業者であり、子会社の番供(スカパー・エンターテイメント)を通じてBS新チャンネルの「BSスカパー!」を運営する事業者という顔も持つ。

番供/プラットフォームの両面から普及活動を実施

 BSスカパー!の普及に向けた対策としては、まず開局日(2011年10月1日)から10日間、ノンスクランブルの無料放送を行った。さらに10月1日の開局から1年間(2011年10月1日から2012年9月30日まで)はキャンペーン期間として、電話やWebサイトで登録すれば、番組を無料で視聴できるようにした。登録さえすれば、ノンスクランブル放送の期間終了後も無料視聴を継続できる。

 放送開始に先立ち2011年9月21日に開催された「BSスカパー!開局発表会」では、各番組の出演者が登壇し、番組の魅力をアピールした。スカパーJSAT代表取締役社長の高田真治氏は冒頭で「多くの放送事業者の協力を得て、すべてのジャンルを網羅した野心的な番組編成をしていきたい」と意気込みを語った。さらに発表会の後半にタレントの岡本夏生さんと一緒に再登場するなどして、経営トップ自ら会場を盛り上げた。

 スカパーJSATがBSスカパー!の立ち上げに力を入れている理由は、BS放送への進出を同社が提供する多チャンネル放送普及の起爆剤にしたいと考えているからだ。スカパーJSATは、自らが提供する多チャンネル放送のコンテンツをより多くの視聴者に知ってもらうためのショーケースという役割をBSスカパー!に担わせている。BSスカパー!のオリジナル番組のほか、CSにチャンネルを持つ放送事業者と共同で提供するレギュラーの放送枠も活用し、BSスカパー!の開局によって、これまでアプローチできなかった世帯に多チャンネル放送の面白さを訴求することを狙う。

 スカパーJSATが提供するサービスの柱である東経124・128度CS放送「スカパー!」を視聴するには、専用チューナーが必要になる。東経110度CS放送の「スカパー!e2」は、地上デジタル放送とBSデジタル放送、東経110度CS放送の三つの放送波を受信できるチューナーが内蔵されたデジタルテレビで視聴できるが、BS放送に比べて受信環境が整っていない。スカパーJSATの親会社であるスカパーJSATホールディングスは2011年8月4日の「2011年度 第1四半期決算説明会」において、BS放送と東経110度CS放送の両方を受信可能な世帯は約900万件、BS放送のみを視聴できる世帯数は約1300万件という見方を示した。