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 プログラミング言語Javaの新バージョンである「Java SE 7」がリリースされた。実に、5年ぶりのバージョンアップだ。ところが、いまいち注目されていないように筆者は感じる。取材のたびにJavaの新バージョンの話を振ってみるのだが、芳しい反応が得られない。なぜだろうか。

 思えば、2004年に登場した「J2SE 5.0」(Java 2 Platform Standard Edition 5.0)のときはもっと注目されていた。この5.0では、初めて型の限定をJavaのプログラム中で明示する「ジェネリクス」が導入されたほか、言語仕様の大幅な変更がなされた。そのためJavaを使うソフトウエア開発者に大きな影響を与えた。1.4と5.0は別の言語とさえいわれていたぐらいだ。

 Java SE 7がJ2SE 5.0ほど注目されていないのは、新バージョンの目玉機能が2013年リリース予定のJavaの次バージョン「Java SE 8」に先送りされたためだろう。並列処理の向上を目的とする「Project Lambda」やモジュール管理機構を実現する「Project Jigsaw」などの機能が先送りされた。もしこれらの機能が導入されるなら、J2SE 5.0のリリース時のように言語仕様も大幅な変更があったはずだ。

 Javaのユーザーは非常に多く、企業システムから携帯電話、クレジットカードに至るまで様々な場所で利用されている。新たな技術を取り込んだことで、既存システムを変更しなければならないといった事態はなるべく避けたい。その相反する意見を吟味した結果、目玉機能は次バージョンに見送られた。

 とはいえ、今回のバージョンアップも決して侮れない。未来に実装されるだろうJavaの新機能の基盤を提供しているからだ。並列に実行するタスクの細分化を図るFork/Joinフレームワークや、スクリプト言語を効率よく実行するためのバイトコード命令などである。今後のJavaの基盤になることは間違いない。

 なお、今回のJava7や、次バージョンに導入予定の目玉機能を含め、Javaの現状と今後を日経ソフトウエア2012年1月号の特集「Java新時代へ」で解説した。ぜひ、ご一読いただければ幸いである。