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提携を発表するNHN Japanの森川亮社長(左)とKDDIの高橋誠代表取締役執行役員専務(右)
提携を発表するNHN Japanの森川亮社長(左)とKDDIの高橋誠代表取締役執行役員専務(右)
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 「開始1年で世界で4500万ユーザー」「国内ではスマホユーザーの約44%に当たる2000万ユーザーが利用」「世界230カ国・地域で利用されており、1日に10億メッセージがやり取り」「年内に1億ユーザーが目標。Facebookも超えたい」――。

 普段の取材では国内通信市場の飽和を感じることが多かった記者は、このように矢継ぎ早に示される数字のスケールの大きさに、思わずのけぞった。NHN Japanが2012年7月3日に開催した、スマホ向けの無料通話・コミュニケーションアプリ「LINE」の新戦略説明会においてだ(関連記事:NHN Japanが「LINE」の新戦略を発表、プラットフォーム化やKDDIとの提携など、写真)。

 LINEの大躍進の背景には様々な理由が考えられる。スマホ時代の変化の波をうまく捉えた点、様々なキャラクターの画像によってコミュニケーションできる「スタンプ機能」といったユーザーの琴線に触れるシンプルな仕組み、大量の広告投下、スマホの電話帳リストを巧みに活用した友達リストの自動追加などだ。ただ理由はいかにせよ、既存の携帯電話事業者に匹敵し、それすらを凌駕する勢いのプラットフォームが1年たらずで出来上がってしまったのは事実だ。

 そしてこのプラットフォームは、キャリア、端末、地域を問わず、スマホ時代にグローバルにスケールする存在でもある。同社執行役員/CSMO ウェブサービス本部事業戦略室の舛田淳室長は、魅力的なプラットフォームの要件として(1)大規模なユーザーベース、(2)サービスの連携しやすさ、(3)マネタイズ能力を挙げ、「そのいずれもLINEは十分満たす」と強調する。

 この日の説明会においてNHN Japanは、LINEをコミュニケーションツールから本格的なプラットフォームへと進化させることも明らかにした。「LINE Channel」というプラットフォームを用意し、外部のコンテンツ事業者と協業するエコシステムの拡大を目指す。協業の第1弾として、リクルートとの提携によるクーポンアプリの提供や、レコチョクとの提携による音楽配信などを用意することも発表した。さらにはマーケティングツールとしてのLINEの活用にも言及し、ローソンやコカ・コーラなどがパートナーとなったことも明かした。

 上記のようなプレゼンを聞くにつれて、記者はある存在と対比せずにはいられなかった。NTTドコモの「iモード」だ。「LINE」のプラットフォーム化のプレゼンを聞けば聞くほど、iモードのエコシステムをスマホ時代によりスケールアップして再現しようとしているように思えた。特に、かつてiモードをうまく活用していたローソンやコカ・コーラといったような企業が、早くもLINEのエコシステムへと足を伸ばしている点に衝撃を受けた。

 そんな中で、一つの考えが頭をよぎった。NTTドコモが「iモード」をネットワークから切り離し、キャリア、端末、地域を問わないプラットフォームとすれば、LINEが目指すスマホ時代のプラットフォームを先取りできたのではないか。さらにLINEを超えて、スマホ時代のプラットフォームの覇者となる可能性があったのではないか、と。