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企業自体が多様性を受け入れる必要がある

 日本のITベンダーにとっては、経営のダイバーシティという課題も突きつけられている。

 世界では、女性の経営者が当たり前だ。むしろ多いくらいだ。例えば、米IBMのバージニア・ロメッティCEO(最高経営責任者)、米ヒューレット・パッカード(HP)のメグ・ホイットマンCEO、と世界のITベンダーのトップ2は女性CEOだ。ネット業界でも、先日来日した、米フェイスブックのナンバー2であるシェリル・サンドバーグCOO(最高執行責任者)など枚挙にいとまがない。米ヤフーのマリッサ・メイヤーCEOはこのほど男児を出産し、1~2週間で仕事に復帰するという。

 一方で、日本の大手ITベンダーには女性のトップは見あたらない。国籍についても日本人がほとんどで、多様性が保たれているとは言い難い。

 なぜ米国では、経営トップに女性が多いのだろうか。考えてみたが、筆者はきちんと説明できない。今年9月11日に、大手顧客のCEO向けイベントで来日したIBMのロメッティCEOの言葉を借りる。

 対談のモデレータの慶応大学大学院 石倉洋子教授から「会場を見ても分かるように、観客(日本の経営者)は男性ばかり。ダイバーシティが不十分です。初の女性CEOとして、どう見ていますか」と向けられ、ロメッティCEOは「確かに初の女性ですが、あえて女性と言う必要があるとは思いませんでした」と返した。

 そのうえで「企業はグローバルに(製品やサービスを)売り込む時代だ。そのために世界の企業間では、人材を巡る競争も始まっている。企業自体が男女の性別や人種、国籍、アイディアなど様々な違いを受け入れる必要があるからだ」(ロメッティCEO)と強調した。

 なぜダイバーシティを進めるのか。あえて掲げないと進まない日本では一定の説明がつくが、米国などのグローバル企業では愚問なのだろう。女性や外国人が多く入社し、幹部に昇格する当たり前の職場に――。IT業界だけでなく、日本企業の生き残りのカギを握る命題である。