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 先日、このコラムで『社長に「我が社のビッグデータ活用はどうなっている?」と聞かれたら』という記事を書いた。ビッグデータを活用しないと近い将来競争に負けてしまうということに気づいた社長が、社内を駆けずり回るというものだ。しかし、ビジネス部門とシステム部門の見解の相違という壁にぶち当たる。

 これらの話は実話をベースに再構成したものだが、取材先の方々などから「その次はどうなるの」「実行に移すのがもっと大変」との意見を多数いただいた。筆者も紹介しきれていないエピソードがあるので、続きを書いてみる。システム部長にもマーケティング部長にもビッグデータの活用は難しいと言われた、架空の大手流通業A社の社長は……。

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 その後も、新聞やテレビ、雑誌でビッグデータ活用の話題が続く。流通業A社の社長は、居ても立ってもいられなくなり、自らをトップとする「ビッグデータタスクフォース」を立ち上げた。タスクフォースといっても、まずはシステム部とマーケティング部、Web事業部の3部長による勉強会だ。

 まず議題に上がったのは「データの持ち主」は誰かということだ。

 マーケティング部長「システム部さん、我々のビジネスで使えそうなデータにはどんなものがありますか?」

 システム部長「我々がいろいろなデータを管理していることになっていますが、実は中身のデータをまったく把握していないものが多くあります。一応、顧客系のデータはマーケティング部をオーナー(所有者)とした数年前の経緯がありますし」

 マーケティング部長「そうなんですか。引き継ぎも受けていないし、自分たちがデータのオーナーという感覚はなかったな」

 Web事業部長「ログがいっぱいたまっているけど、いつからどんなデータあるか、正直把握していません。セキュリティがうるさくなってからデータを参照するのも面倒になったし」

 システム部長「調べたところ、まったくアクセスしていないデータベースが結構ありますね。当事者として管理していないデータが多くあるのは、セキュリティ的にも危うい状態です」

 社長「では、ビジネスに関するデータの責任はそれぞれの事業部門、IT基盤に関連するものはシステム部門とそれぞれ明確に分けろ。即刻だ。そうするとビジネス部門にもデータを見る責任者が必要だろ。次の人事で何とかしろ」