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 非営利組織のThe Linux Foundationが毎年発行している調査報告「Linux Kernel Development」の2013年版が先月公開された。そのレポートで目立つのが、韓国Samsungグループや米Texas Instruments、ARM向けにLinuxの最適化を推進している非営利組織のLinaroなど、モバイルや組み込み系の企業がこれまでないほどLinuxに積極投資していることだ。

 例えば、Samsungは前回の調査結果(2012年4月に公開)ではコードの貢献数ランキングが11位(1.7%)だったが、2013年版では9位(2.6%)の座を占めた。またTexas Instrumentsも前年の7位(3.0%)から4位(4.1%)に、Linaroに至っては28位(0.7%)から5位(4.1%)に躍進した。

 2013年版のレポートでは、カーネルのバージョン3.3から同3.10で実施されたコードの改変が主たる調査対象になっている。バージョン3.3といえば、Androidのコードがマージされたことから広く注目を集めた版である。Androidは一度はLinux開発のメインラインから離れたものの、多くの機能やサブシステムがLinuxに統合された。こうした動きを受けて、スマートフォンやスマートウォッチをはじめとするAndroid端末の関連ベンダーが、省電力化につながる電源管理システムの改善などを意欲的に進めたわけだ。

斬新な発想でスマホの新たな使い方が生まれる

 2013年9月に開催された「CEATEC JAPAN 2013」におけるNTTドコモのブースには、一足早く2013-2014冬春モデルのAndroid端末が並べられた。数多くの来場者で賑わい、一角には行列ができていた。お目当ては、Samsungの「Galaxy Gear」だ(写真)。スマートフォンをカバンから出すことなくメールをチェックする、電話を掛けるといったことが可能なスマートウォッチに一足早く触れようと、足を運んだ方が多数いたようだ。

写真●腕時計型のAndroidデバイス「GALAXY Gear」
写真●腕時計型のAndroidデバイス「GALAXY Gear」
バンド部分にカメラが付いている。
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 日経Linux編集部でも、レビュー記事作成用にSamsungからGalaxy Gearを借りて試用してみた。その記事を担当した同僚の言葉を借りると、「今のところはキラーアプリもなく、良くも悪くも小型のスマホ」でしかない。できることが少ないだけでなく、装着感やデザインにも改善の余地が大きい。また、省電力化が進んでいるとはいえ、1日程度というバッテリー駆動時間の短さも、実用の足かせになるだろう。

 しかし、こうしたガジェットには極めて大きな関心が寄せられいて、夢が現実になるような可能性を秘めているのは明らかである。イノベーターや開発者、アーリーアダプターらが手に入れて、斬新な発想で、スマートウォッチと連携動作するスマートフォンの新たな使い方を生み出すのではないかと思われている。

 特に期待が高まってる分野の一つに、ヘルシーな生活を支援する「ウエルネス市場」や診療の支援を行う「臨床検査」がある。Galaxy Gearには、動きを感知するセンサーが搭載されている。読み取った生体情報をサーバーに蓄積して、肥満の予防に役立てたり、心拍数の変化を調べるなどのアプリ開発が進められているという。