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 そんな福島氏だが、プログラミングを学んだのはエブリスタに出資するディー・エヌ・エー(DeNA)に入社してから。「開発言語(Perl)は割と扱いやすかった」という。「モバゲータウン(現Mobage)」の投稿管理システムなどを担当した後、2010年6月のエブリスタのサービス開始に合わせて、「来週から手伝ってきて」といきなり出向を命じられた。DeNA入社から数えて、今年で6年目になる。

 現在、エブリスタにはDeNAが70%を出資し、残りの30%はNTTドコモが出資している。ドコモからの出向者は少なく、ほとんどの社員をDeNAからの出向者が占める。福島氏もその1人だ。福島氏は自ら企画を上げ、システムへの実装方法も提案する。

 2008年4月にDeNAに入社する前、福島氏は当時社長だった同社の南場智子氏の面談を受けた。その時に既に「自分が納得できる仕事をしたい」と南場氏に伝えたという。今年になって現場復帰した南場氏に、福島氏は「変わっていないね」とからかわれたという(関連記事:DeNA創業者、南場氏の著書『不格好経営』を読む)。

クリエーターが自分の作品で「食べていける」ようにしたい

 福島氏が構築したシステムが、いかにクリエーターの夢の実現に貢献しているか。運用開始の翌月に、いきなり1つの結果が出た。

 9月に販売トップに躍り出た小説『キスフレ』(作者は碧海橙空氏)が、9月単月だけで約6000部を売り上げた。売り上げ金額で見ると、別な作者であるイアム氏が2作品の合計で9月に約43万円を手にしている。月間で売り上げが20万円を超えた作者は、9月は5人だった。もしこの金額を維持できるなら、こうしたクリエーターたちは創作活動で暮らしていける可能性がある。

 たとえそこまでいかなくても、自分の作品に買い手がついたことに素直に喜ぶクリエーターはたくさんいる。「お金を払ってくれる読者がいることに、大きな喜びを感じます」「責任感を強く感じました」といったクリエーターからの感想も寄せられているという。

 既にサービス開始から3年以上の実績があるE★エブリスタからは、億万長者になったクリエーターも生まれている。E★エブリスタで活躍するクリエーターにとって目標にもなっている『王様ゲーム』の作者、金沢伸明氏はその象徴的な存在として知られる。E★エブリスタで生まれたこの作品は、書籍化、コミック化、映画化と拡大を続け、書籍は実に累計で430万部も売れている。

 王様ゲーム以外にも、既に200作品以上が書籍化された実績がある。E★エブリスタの総投稿数は、これまでに210万件を超える。

 ただし、この記事で紹介している福島氏が開発した販売プラットフォームは、今までのE★エブリスタの「成功例」とは全く違うビジネスモデルの上に成り立っている。