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イラスト:中山 成子
イラスト:中山 成子

 唐突だが、あなたはあるシステム構築案件のプロジェクトマネジャーだったとしよう。あるとき部下のチームリーダーが病気になり、リリース間際の数日間現場を離れてしまう事態に陥った。さて、あなたならどうするか。選択肢は二つ。一つは「自分がチームリーダーの役割を担う」、もう一つは「サブリーダーに任せる」だ。

 実はこれ、リスク管理に関する典型的な例題である。サブリーダーに任せるのは不安だろう。「自分がチームリーダーの役割を担う」を選んだあなたは、急場をしのぐ上で賢明な判断を下したといえる。しかしこの判断は、リスクを「脅威」としか捉えていない表れだ。現場は滞りなく進むかもしれないが、実は一方で大きなチャンスを逃す可能性がある。

 「サブリーダーに任せる」という判断を下したあなたは、リスクを「好機」として捉えられる力がある。これは大きな武器になる――。記者はこのことを、日経SYSTEMS4月号の特集1「挑むプロジェクトを成功させる超リスク管理」を担当して実感した。

好機と捉えると多くのメリットがある

 そもそもリスクには、「脅威」と「好機」がある。教科書的に言えば、脅威とは損害をもたらすもので、リスクヘッジ(回避、軽減、転嫁、受容)の対策を取る。一方の好機は、利益をもたらすもので、リスクテイク(活用、共有、強化、受容)の対策を取る。そして今求められているのは、一見「脅威」と思えるリスクを「好機」と捉える力だ。