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 NTTが、光アクセスサービスの卸売りを発表した。従来はNTT東西が最終消費者向けに提供してきた光通信サービスを、事業者向けに卸販売を実施するものだ。早ければ第3四半期から提供が開始される。

 業界の関心は、「これでNTT東西のフレッツ光とNTTドコモのスマホがセット販売される」というあたりに集約されている。これをもって、事実上のNTT再々編だと見なす論調さえ存在する。確かに現在、情報通信審議会の特別部会では、今後の通信産業の競争政策に関する活発な討議が続いている。こうした状況を受けて、日本経済新聞も2月に「総務省、NTT『セット割引』解禁を検討」と報道。これに競合事業者が一斉に反応するなど、にわかにヒートアップしている。そうした最中でのNTTからの新方針発表である以上、盛り上がらないはずはない。

ドコモとのセット割は本当に魅力的か

 とはいえ今回の発表は、突然出てきた話ではない。2012年にNTTが発表した中期経営計画では「B2B2C」が明確にうたわれている。これは回線の卸売りに他ならない。また、PSTN(加入電話網)はもとより、光通信サービスも飽和状態に近づき、今回のような大胆な施策を打ち出す可能性は以前から業界内で議論されてきた。むしろ数年の時間を費やして、ようやく機が熟したと考えるべきだろう。

 だがフレッツ光とスマホのセット販売は、今日の消費者にとって本当に魅力的な商品だろうか。3G全盛時代ならいざ知らず、LTEによるモバイルブロードバンドが都市部を中心に一般化する中で、家庭内でもLTEだけを使うという利用者が台頭しつつある。なにしろ一方の当事者であるNTTドコモ自身が、「これ一台で固定回線要らず」とモバイルルーターを宣伝しているのだ。セット販売に過剰な期待を抱くべきではない。