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上田:ちゃんと話をしてください。次長も主任も何を考えているんですか?分からないですよ!

浮島:上田、お前はそういうところがいい。納得できないことを納得できないと思う、そして主張してはっきりさせようとする。それがお前の武器だよ。

上田:何ですか、何を言ってるんですか、浮島さん。どうしたんですか?質問しているのは、そういうことじゃないです!

 上田氏は浮島氏の話を聞いて、次第に腹がたってきた。この人は何を言いたいのか。今の論点はなぜ開発部を説得しなかったのか、という点である。それが聞きたいだけなのに、主任はその点を曖昧にして別の議論にすり替えようとしている。上田氏はそう思った。

 浮島氏はそういう表情の上田氏に向かって続けた。

浮島:聞けよ上田……お前はまだ若いし、経験も少ないから分からないこともある。いいか、お前の言うように、泉下部長や岡村を説得しても彼らがそれを受け入れることはない。100%ない。そういう人間なんだ。彼らは。

上田:でも根気よく説明すれば……。

浮島:いや、無理だ。彼らには彼らの考えがあり、信念がある。人は信念を簡単には曲げない。曲げないからこそ、組織の意思決定がぶれないんだ。だから、俺は部長や岡村が悪いとは思っていない。

上田:……。

浮島:要は、見解の相違ということだ。双方の意思が固いほど、見解は相違のまま平行線となる。だから、あの場はあれ以上話をしても意味がない。無駄だからああした。それが理由だ。

上田:そうかもしれませんけど、この会社には新しい仕組み、新しいやり方が必要なんです。このままいけば、世の中から遅れる。私が会ったプロ人材は皆、現状に問題意識をもって、新しいことを考え、社内のリーダーとなり、改革や改善をしています。

浮島:そうだな。