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「Linux + Samba」という移行先

 さて、一般にはほとんど認識されてはいないものの、場合によっては極めて有効だと記者が考えている移行先に、「Linux + Samba」がある。これがどういう場合に有効と見ているかというと、小中規模で、かつ経営層が「固定費を高止まりさせたくない」「良いモノがあるのならオープンソースのソフトウエアでも構わない」「アプリケーションのユーザーインタフェースはWebで十分」といった考えを持っているケースである。

 Sambaは20年超の歴史を持つオープンソースのソフトウエアなので、何を今さらと感じた方もいるだろう。しかし、Sambaを知っているという人でも、多くは単なるファイルサーバー構築ソフトだと思っているようで、Windows Serverの代わりが務まることまで把握している人は少ないのが実情だ。

 Sambaとは、一言でいえばLinuxやUNIXを搭載したサーバーに、Windows Serverの“フリ”をさせるオープンソースのソフトウエアである(ただし、Linux + Sambaの環境ではWindows Serverのアプリケーションは動作しない)。Windows Serverが持つ、ファイルサーバーや認証などの機能を備える。

 2012年12月に登場したSambaバージョン4(Samba 4)では、Active Directoryドメインを管理する機能(ドメインコントローラー機能)も搭載した。これにより、Windows Serverの代わりにSamba 4を使って、Active Directoryによるシステム管理ができるようになった。

 Samba 4でも、Windows Serverの場合と同様に、Windowsに備わっているGUIベースの「RSAT」(Remote Server Administration Tool)でシステム管理を行える。

 ここでActive Directoryとは、Windows 2000 Serverで新しく導入されたディレクトリーサービスのことだ。分散した環境において、ネットワーク上のコンピュータやプリンターといったリソースの情報を一元的に保管・管理する役割を担う。このサービスを利用することにより、社内ネットワーク上のリソース(ユーザーやコンピュータなど)を階層的に一括管理できる。

 実際、Windows Server 2003を導入している多くの組織で、Active Directoryのグループポリシーと呼ぶ機能を活用し、コンピュータやユーザーを一元管理している。例えば、「離席時など3分間無操作だった場合には、スクリーンロックをかける」という設定を強制的に適用するといった具合である。そうした組織で2015年7月移行も引き続きActive Directoryを利用したいなら、Windows Server 2012 R2かLinux + Samba 4に移行する必要があるわけだ。