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 口で言うのは簡単だが、抽象的で分かりにくい。そこで、以前登場した開発会社A社の岡村氏のケースを使って、具体的に説明したい。

<前回までのあらすじ>

  • 東京の中堅システム開発会社A社は、世の中のITビジネスが変化する兆候を捉え、社内に新組織「企画部ニュービジネス企画室(NB企画室)」を発足させ、開発部より異動した上田主任と、子会社に出向していた開発部の元エース・浮島氏に新しいビジネス企画を検討させた。
  • 浮島氏の同期である開発部の岡村氏は、浮島氏や上田氏が気に入らなかった。それは、彼らが新しいビジネスを立ち上げると、開発部の存在価値が低くなる可能性があったからだ。そこで、開発部の泉下部長と岡村氏は何かにつけてNB室を攻撃した。
  • あるとき、岡村氏は上田氏を挑発し、開発部とNB企画室で「品質改善企画バトル」をすることになった。開発部の提案は「テストの工夫」という限定的なものだったが、上田氏の提案は過去の作業データを大量に回帰分析して発見した「上流のプロセスの見直し」という新しい品質統制の概念だった。しかし、結局、アイデアはよいが実現は難しいということで勝負なしの引き分けになった。
  • しかし、数日後にIT雑誌に上田氏の考えた品質改善方式が特集され、上田氏がコンソーシアムを主宰するとの記事が発表されると、多くのIT企業が参加を申し出て、大きな話題になった。A社の社長も大変気に入った様子だった。これを受けて、開発部の泉下部長は、この事案は開発部で責任もって実施したいと発言した。これを聞いた反対派の岡村氏は、なぜ部長が急に実施すると言ったのか分からず困惑した。

 泉下部長に振り回される岡村氏に、その後どのようなことが起こったのか。彼はどのように行動をしたのかを紹介したい。