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 ここ数年の間に筆者が書いた記事の中で最も反響があったのは『ソフトを他人に作らせる日本、自分で作る米国』であったと思う(日経ビジネス オンラインの当該記事)。反響を計る指標は色々あるのだが、幸いなことにどれも高かった。

 指標の一つは、その記事を読んだ読者の数、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で言及された数である。当然多ければ多いほどよい。もう一つの指標は記事を読んだ読者の感想である。こちらも多いほどよいが、数だけではなく内容が重要になる。

 感想にはいくつか種類がある。日経ビジネス オンラインの場合はコメント欄に書き込まれるし、読者が筆者に電子メールや郵便で直接送ってくることもあれば、知り合いから転送されてきた感想もある。転送されてきた感想とは、ある読者が書き、「筆者に伝えてほしい」と知り合いに送り、その知り合いが筆者に送ってきたものを指す。つまり、知り合いは読者と筆者の双方に面識があるが、読者と筆者は会ったことがない。知り合い経由で「ぜひお目にかかりたい」という有り難い連絡もいくつか頂戴した。

 感想の内容は、当然のごとく拙文の主旨に同意しているものと手厳しいものに大別できる。手厳しい感想は建設的なものと非建設的なものに分けられる。非建設的な感想とは、「お前の主張はおかしい」と書いてあるだけで、その理由が書かれておらず、こちらとしては受け止めようがないものなどである。

 とはいえ、たとえ非建設的な感想であっても、読者がわざわざ時間を費やして書き、投稿したり送信したりしてくれたわけで、それも記事の反響の一つだと思っている。

日本と米国、前提がまったく違う

 「ソフトを他人に作らせる日本、自分で作る米国」という題名にある「ソフト」は当初、コンピュータソフトウエアであった。こういう題名を付けた根拠はいくつかあったのだが、その一つは情報処理推進機構(IPA)の報告書『グローバル化を支えるIT人材確保・育成施策に関する調査』に出ていた数字である。

 同報告書によると、日本におけるIT関連の技術者総数は102万人で、そのうち、いわゆるユーザー企業に属している技術者は25万人、ITベンダーに属している数は77万人。これに対し、米国の技術者総数は330万人で、ユーザー企業に236万人、ITベンダーに94万人が属している(数字はいずれも2009年のもの)。つまり日本では技術者の7割がベンダーにおり、米国では7割がユーザーにいる。