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■開発コード名「Longhorn」が「Windows Vista」と正式な名称になってから,初めてのベータ版を紹介するシリーズ連載。第2回は,スタート・メニューやVirtual Folderの振る舞い,Documents and Settingsがなくなったフォルダ構造——などユーザー・エクスペリエンスを紹介しよう。

(Paul Thurrott)
※ 画面ショットは Pre-Beta 1 のものです。
Beta 1で若干の変更があるかもしれません。




写真をクリックすると画面ギャラリが始まります

写真-3
 Windows Vista Beta 1のデスクトップは見た目の上では「ビルド5048」(WinHEC 2005のビルド)に似ている。専用のグラフィックス・アダプタを持っていれば,デフォルトでAeroが有効になっていることに気づくだろう。各ウインドウは磨き上げられた,ガラスのような半透明の概観と,マウス・ポインタを重ねたときに光るウインドウ・ボタンを備えている(写真-2)。1つカッコいいと思ったのは,アイテムを捨てると,ゴミ箱(Recycle Bin)がくしゃくしゃに丸まった紙でいっぱいになったように見えることだ(写真-3)。


写真-4
 タスク・バーは大きく変わっていないが,ノート・パソコン上では,新しい電源管理アイコンが表示されるのに気づくだろう。これをクリックすると,ナイスなダイアログが開く(写真-4)。そして,新しい「Presentation Settings(プレゼンテーション設定)」アイコンでは,あなたがプレゼンテーションをしているときにスクリーンがどんな動作をするかを設定できる(写真-5)。なぜそれがデフォルトで表示されるようになっているのかは分からないが…。


写真-6
 3つ目のトレー・アイコン「Windows Search Engine(Windowsサーチ・エンジン)」は,もっと有望なものだ。「MSN Toolbar with Windows Desktop Search」のユーザーはすぐになじめるだろう。Windows Search Engineをクリックすると,そのエンジンの設定ダイアログ画面が開く。この検索ウインドウはやはり親しみやすいはずだ。2005年前半にMac OS X Tigerで使われているものだからである(写真-6)。Windows Searchは期待通りの動作をする。今後もさらに深く調べるつもりである。

スタート・メニューの左半分が切り替わる


写真-7
 スタート・メニューもビルド5048からわずかしか変わらず,Windows VistaとWindows XPのものが混じったおかしなアイコン群が同居している(写真-7)。Windowsクライアント・グループのディレクタであるNeil Charney氏は最近私に,Vistaのそこらじゅうにあるすべてのアイコンが大きく高精細で美しいものにアップグレードされるから心配しないようにと語った。面白いのはいくつかの昔ながらのアイコン群(特に[Set Program Access and Defaults]のもの)が,Windows XPにあるのと同じように見えながら,より高精細なバージョンに再レンダリングされたことである(写真-8)。


写真-8
 スタート・メニューの動作は,ビルド5048と全く同じだが,別の顔を持っている。Windows XPでは「All Programs(すべてのプログラム)」リンクにカスケード表示されるサブメニューが現れた。一方,Vistaはスタート・メニューの左半分を置き換えるちょっと変わった中身のサブメニュー表示を備えている。

 どう動くのかを示そう。[All Programs]をクリックすると,スタート・メニューの左半分が,Programメニューを表示するように中身が変わるのだ(写真-9)。フォルダをクリックすると,そのリストはフォルダの中身を表示するように広がる(写真-10)。プログラム・リストが長すぎればもちろん,中身を変えつつスクロール・バー表示を追加するのだが,これは奇妙な感じである(写真-11)。


写真-12
Backリンク([All Programs]と同じ場所に現れる)をクリックすると,スタート・メニューは普通の状態に戻る。

 Microsoftはサーチ・ボックスをスタート・メニューの中に組み込んだので,ナビゲートして回るためにキーボード・ショートカットを使うことはできない。例えば,Windows XPの中でコントロール・パネルを起動するにはWindowsキーを押してそれからCキーを押せば,コントロール・パネルが開く。Windows VistaではCキーを押したときにシステムはあなたがアプリケーションを探しているのだと推測する(写真-12)。

シェルのネームスペースの変更
 Windows Vistaのシェルの様々な場所,Computer(コンピュータ),Documents(ドキュメント),Control Panel(コントロール・パネル)などを調べる前に,私はシェルの名称がどう変わったかを解説したいと思う。私はどうもその変更は単に人々を惑わすだけではないかと思った。

 Windows XPと2000で,MicrosoftはDocuments and Settingsフォルダ構造の概念を持ち込んだ(以前Windows NT 4.0ではC:\winntフォルダ内にユーザー別のフォルダがあった)。このフォルダの下にあるのは,各ユーザー・アカウント用のフォルダであり,従って私のWindows XPシステムではAll Users用のフォルダとPaulというフォルダがある。All Usersは全ユーザーに適用される情報を含んでいる。

 Windows XPでは各ユーザー・アカウント用フォルダの下に,さらに様々なフォルダがある。例えば,Desktop(デスクトップ)やFavorites(お気に入り),My Documents(マイドキュメント),そしてスタート・メニューなどがPaulフォルダの下にある。そしてMy Documentsの中には,3つ特別なシェル・フォルダがあることが分かる。My MusicとMy PicturesとMy Videosだ。

なくなったDocuments and Settings


写真-13

写真-14
 Windows Vista Beta 1では,Microsoftはそのほとんどを吹き飛ばした。システムのルート・ドライブにあったDocuments and Settingsフォルダの代わりに,ユーザー別のフォルダがあるのが分かるだろう。そしてそのフォルダの中には,各ユーザーのためのフォルダ(例えばPaulとAdministrator)がある。UNIXみたいなPublicというフォルダもある(写真-13)。

 もう少し先を見てみよう。Paulのフォルダの中にはいくつかのフォルダがある。Desktop,Documents,Downloads,Favorites,Music,Pictures,Videos,そしてVirtual Folders(写真-14)だ。MusicもPicturesも,そしてVideoももうDocumentsの下のサブフォルダではないことに注意してほしい。

 そしてXPの場合と同じように,これらの全フォルダが「リアルな」フォルダだ。つまりそれらはシェルの階層の中の別々の場所に存在しており,リアルなファイルとフォルダを含んでいる。それらはWindows XP内にあったフォルダと文字通り同じものだ。しかし,Windows Vistaでは,あなたもご存知のように,Virtual Foldersという概念も持ち込まれた。これらは「リアルな」フォルダではなく,その代わりに他のファイルやフォルダへリンクするためのXMLベースのコンテナである。Virtual Foldersは何も「含んで」はいない。しかし,Virtual Foldersは他のファイルのリストを示し,意味のある方法でデータをまとめる。

 Windows 95が初めて出た時のことを思い起こそう。Windows 95ではドキュメントとフォルダへのショートカットをよりアクセスしやすい場所(普通はデスクトップ)に作れるようになっている。同じことを踏襲してVirtual Foldersも関連するファイルとフォルダをよりアクセスしやすい場所に集めておけるようにする。しかしVirtual Foldersは単なるショートカットよりもはるかにパワフルである。Virtual Foldersはスマートに,ダイナミックにアップデートする。そしてユーザーにとって意味のある形でデータを組織化する作業をより簡単にしてくれる。


写真-15

写真-16
 Windows Vista Beta 1ははっきりしたニーズに応える多数のVirtual Foldersの缶詰と一緒に出荷されるが,そのいくつかはスタート・メニューからすぐに利用できる。おかしなことに,そのいくつかは「リアルな」フォルダと同じ名前が付けられており,しかもいくらか混乱を招きそうな場所にある。例えば,スタート・メニューの中のDocumentsリンクをクリックするとそれはC:\Users\Paul\Virtual Folders\All Documentsを開くのであり,あなたが期待するC:\Users\Paul\Documentsを開いたりはしない(写真-15)。前者(All Documents)はあなたのハードディスク上の全ドキュメントをそれらのある場所に関係なく自動的にまとめたVirtual Folderで,後者(Documents)はMy Documentsと同等な最新状態の普通のフォルダに過ぎず,Microsoft Wordなどのアプリケーションからドキュメント・ファイルを保存すると,デフォルトでその場所に保存される。

 この区別は大事だ。私が以前言ったように,Virtual Foldersそれ自体は実際には何も含まない。それらは「リアルな」フォルダではない。All DocumentsというVirtual Folderにはドキュメントを保存できないが,Documentsフォルダにはドキュメントを保存できる。いったんそのファイルを保存すれば,それが両方の場所に現れる(写真-16)。紛らわしいものだ。