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 米Microsoftが次期クライアントOS「Windows Vista」(開発コード名Longhorn)の導入支援ツールについて最初に話してから2年以上がたった。同社は,2005年8月中旬にようやく初めて実際に動くそのツールのBeta 1をテスターたちに出荷した(既報)。その後,一般ユーザーも同社のWebサイトから入手できるようになった(該当サイト)。

 「Windows Automated Installation Kit(WAIK)」と呼ばれるこのツールは,ITプロやシステム構築者など,Windows Vistaを複数のデスクトップに導入する人向けに設計されている。こうしたツールは,あなたが最近使っているような導入支援ツールとはかなり大きく違ったやり方で動くから,このコードを確かめてみて,何が変わったかを調べるには今が良い機会である。

コンポーネント化されたVistaのメリット
 Microsoftは,Windows Vistaを以前のWindowsよりもはるかに徹底してコンポーネント化(モジュラー化)した製品に仕上げている。このコンポーネント化は,複数のPCメーカー各社のために,広い範囲にわたる細分化をもたらすだろう。こうしたコンポーネント化は,特にメーカーがカスタマイズしたWindowsをより早くユーザーへ届けることを可能にするからだ。しかし,またITプロたちもWindowsのコンポーネント化による恩恵を受けるだろう。

 Windows Vistaの中核コンポーネントは「MinWin」と呼ばれ,これがベースのコンポーネントになっている。このWindows Vistaの言語に依存しない部分は,この製品のコード・ベースの約95%を内蔵し,さらにMicrosoftが将来作るすべてのプロダクト・エディションの基礎となるだろう。同社はMinWin上に,例えばHome EditionコンポーネントやProfessional Editionコンポーネントといった機能的なスーパーセットを追加するだろう。

 米国市場向けのWindows Vista Professional Editionを作るには,Microsoftは単純にMinWinにHomeコンポーネントやProコンポーネント,そしてUS Englishランゲージ・コンポーネントを組み合わせるだけでよい。コアOSからランゲージ・サポートを分離したことで,MicrosoftはWindowsをもっと簡単に提供できるようにしようとしている。だから後でサービス・パックやホットフィックスが出た時も,ITプロたちはこうしたアップデートを広い範囲のWindows Editionへたやすく追加できる。

OSのイメージ・ファイルをツールで編集
 この新しいコンポーネント化アーキテクチャを採用したおかげで,Microsoftはようやくイメージベースの導入支援ツールを実装できるようになった。これらのファイル・ベースのイメージは「Windows Imaging(WIM)」ファイルと呼ばれ,「.wim」というファイル拡張子を使用する。.wimファイルは高圧縮されているので,最小限のバンド幅消費だけでネットワーク経由で転送できる。そして,それらはファイル・ベースになっているので,すぐに修正できる。

 つまり,新しいイメージを最初から作り直さなくでも,既にある.wimファイルを取ってきて機能を追加したり,削除したりできるのだ(ホットフィックスやサービス・パックのように)。さらに,これは複数の言語に対応する同一のイメージを導入することもより簡単にする。対象のデスクトップすべてに使う言語に依存しないイメージを作っておけば,その後に各イメージを導入する際に個別にランゲージ・コンポーネントを適用できる。

 MicrosoftのWIM管理ツールは「XImage」と呼ばれているが,従来通りに「Sysprep」や「Group Policy」などの使い慣れたツールを使って.wimファイルを配布することもできるだろう。XImageはWAIK Beta 1ではコマンド・ライン・ツールだが,私はすぐGUI版が出るのかどうか確認しようとしているところだ。このツールは,「Windows Deployment Services(WDS)」など他の関連するツールと一緒に動く。WDSはWindows 2000でデビューした「Microsoft Remote Installation Services(RIS)」ツールキットをアップデートまたは置き換えるものである。

コンフィグレーションがXMLファイルに
 Windowsの初期のバージョンでは,独自の変更を加えて自動化したWindowsのインストレーションを実施するために,管理者たちはしばしば「unattended installation」ファイル(またはアンサー・ファイル「unattend.txt」)を使い,セットアップ・マネージャ経由で作成していた。WAIKのセットアップ・マネージャもやはりこうした仕事をするが,今回からはXMLベースの「unattended installation」ファイル,いわゆる「unattend.xml」をデフォルトで作る。以下にサンプル・ファイルを掲載する。

<unattend xmlns="urn:schemas-microsoft-com:asm.v3">
  <settings>
    <component name="setup">
      <UserData>
        <AcceptEula>yes</AcceptEula>
        <FullName>Windows User</FullName>
        <ComputerName>winvista-beta1</ComputerName>
        <ProductKey>ABCDE-FGHIJ-KLMNO-PQRST-UVWXY</ProductKey>
      </UserData>
      <AutoLogon>
        <Logon UserName="username" Password="password" Count="3" />
      </AutoLogon>
      <ImageInstall>
        <Image>
          <InstallTo DiskID="0" PartitionID="1" />
        </Image>
      </ImageInstall>
    </component>
  </settings>
</unattend>

 セットアップ・マネージャのユーザー・インターフェースはウィザードに似ており,それには3つのセクションがある。「User Settings(ユーザー設定)」「Disk Configuration(ディスクの構成)」「"Run Once" Commands(起動時に実行するプログラム)」だ。User Settingsでは,フルネームや組織,コンピュータ名などの情報と,プロダクト・キーを入力する。Disk Configurationは,どのパーティションにそのインストレーションが追加されるのかを決めるのに役立つ。そして"Run Once" Commandsの下では,最初にWindows Screenが表示された後にどのアプリケーションを起動するかを設定できる。つまり,ここでは,アプリケーションのインストールやほかのスクリプト化可能なイベントを始められる。