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 米国における11月7日のSQL Server 2005の発表が近づいてきた。9月14日に公開したSQL Server 2005 September Community Technology Preview(CTP9月版)は正式出荷前の最後の公開評価版になる。ここではCTP9月版に関して短く解説するつもりだが,その前に,一緒に届いた大事なニュースについて書きたい。ご存じの通り,「SQL Server Express Manager」はCTP9月版に入っていないが,RTM(製品)版には入る。そして「データベース・ミラーリング(DBミラーリング)」はCTP9月版には入っているが,SQL Server 2005 のRTM版ではサポートされない(既報)。

RTM版で加わる機能と外れる機能が判明
 Express ManagerはSQL Server Express向けの新しい管理用GUIツールである。SQL Server Expressは,無償提供されてきたMSDEの新版に当たる。RTM版までExpress Managerが見られないのは残念だ。しかし,このニュースは既に大規模なMSDEのユーザーで,すぐアップグレードしたいと思っていなければ,あまり関係がないだろう。しかし,DBミラーリングを外したことは失望もので,Microsoft自身も残念に思っていることを私は知っている。

 DBミラーリングは高可用性とディザスタ・リカバリ計画のために強く求められていた機能である。活用すれば,広い地域に分散配置したサーバー環境で,一部サーバーに障害が発生してもビジネスを継続性できるようになる。Microsoftは,この機能の性格上,最も強く求められる「超」ハイエンドな環境に必要な性能を,DBミラーリングが出せないことを認めた。そして同社は以下のようなコメントを出さざるを得なくなった。

 「SQL Server 2005の開発目標は,私たちの顧客が一番厳しく要求するビジネスのシナリオを満たす高い品質でした。このため,DBミラーリングのためのフィードバック期間を延長するという決定をしたのです。私たちはDatabase Mirroringはユーザー環境の99.99%では不要だが,残りの0.01%からは強く求められることを確認したいと思っています」(SQL Serverのコミュニケーション担当ディレクタのIlya Bukshteyn氏)。

 また,Microsoftのサーバー・アプリケーション担当上級副社長であるPaul Flessner氏のCTP9月版に関する話が,同社のWebサイトに掲載されている(訳注:こちらにも,高い品質が目標である点と,DBミラーリングに関する実装延期が記載されている)。

Mirroring機能は削除でなく延期
 注意したいのは,MicrosoftがDBミラーリングをRTM版から除外したことを,この機能の削除ではなく延期と言っている点だ。同社は月日までは特定していないが,DBミラーリングを2006年前半に出荷するとしている。DBミラーリングと同様な仕組みはRTM版に入っているトレース・フラグで実現できる。しかし,トレース・フラグは,単に評価用に設計された機能で,SQL Serverの「Microsoft GoLiveプログラム」に参加していない場合,実環境での利用はサポートされない。GoLiveプログラムは,早期導入契約者がプレリリース・ソフトウエアを実際に使えるようにするライセンス制度である。

 DBミラーリングの効果は私には簡単には言えない。現実には,多くのユーザーはこの機能を必要としないだろう。だが,ユーザーのごく一部はこの機能を待望している。また,OracleやIBM DB2など大企業向けの主要なデータベース製品と比較すると,マーケティングの上でMicrosoftが不利になる。同社のWebサイトで,CTP9月版の機能に関する要約が公開されているので参考にしてほしい。SQL Server Readiness Kit CDも注文できる。

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 最後に,SQL ServerとVisual Studioのチームがそれぞれ使っている命名規則のぶれを指摘しておきたい。ここ数カ月の間に両グループがそれぞれの製品のCommunity Technology Previews(CTP:コミュニティ・テクノロジ・プレビュー)をリリースした。最新のSQL Serverの評価版は今でもCTPと呼ばれているが,最新のVisual Studio 2005の評価版はRelease Candidate(RC:製品候補版)と呼ばれている。SQL Server 2005 September CTPとVisual Studio 2005 RCは互いに連携できる。なぜ名前を変えるのか理由が分からない。Bill(ゲイツ氏ではなくシェークスピア)ならこう言うだろう。「ベータ版は何と呼ばれようともベータ版である」(訳注:シェークスピアの「ロミオとジュリエット」に「いかなる名で呼ばれようともバラは甘く香る」というロミオのせりふがある)。