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 米Microsoftは,9月初めに開催した「Professional Developers Conference(PDC)2005」で予想通り「Windows Vista」(開発コード名Longhorn)の多くの特徴を見せた。しかし,これがPDC 2005最大のニュースではないと私は思っている。最大のニュースは,Officeの次バージョン「Office 12」(開発コード名)と「Windows Server 2003 R2」の次にくるWindowsサーバーOS「Longhorn Server」(開発コード名)——この2製品の大きな変更が公表されたことである。今回はLonghorn Serverを取り上げよう。

ようやくLonghorn Serverについて書ける状況に
 私は7月半ばにMicrosoftからLonghorn Serverに関して,極秘の説明を受けた。同社はこの説明で1つ変わった条件を付けた。われわれの間の機密保持契約(NDA)には,その製品を「永久的な」ものと書いてあり,Microsoftはいつそれについて書いていいかを知らせると約束した。

 ここで7月下旬にリリースされるLonghorn Server Beta 1が,製品版で計画している機能のほんの一部しか実装されていないと説明された。同社は私を失望させたかったのではなく,このBeta 1がAlphaレベルの品質で本当の意味のベータではないことを強調したかったのである。Microsoftはこうして,私たちのはやる気持ちを吹き飛ばした。期待をしぼませたにもかかわらず,Beta 1でさえLonghorn Serverは画期的なリリースになるだろう。私はそれ以来このことが書けるのをずっと待ち続けていた。

 PDC 2005でMicrosoftはLonghorn Serverの中継ぎビルドを出荷して,初めてこの製品の全容を公開した。私はLonghorn Server Betaを長期間試用している真っ最中だ。きっとみなさんは主要な新機能に関心があることだろう。Longhorn Serverの提供が2007年であることと,それまでに少なくとも2つのメジャーなベータ版が予定されているのを理解してもらった上で,次のリリースでの搭載が期待できる変更点をいくつか紹介する。

徹底してコンポーネント化された設計
 Microsoftは複数の初期のWindows Serverで,サーバーに特定のタスクやシナリオを担当させるように構成する役割ベースの管理システムを搭載していた。このシステムには,1つ問題があった。

 Windows Serverは,同社が「モジュラ」と呼ぶコンポーネント化できる設計になっていなかったので,このシステムをベースにしたサーバー群は現在,複数の特徴と機能を過剰に負わされている。それらのサーバーの役割には必要のないものが含まれている。この問題は,単にサーバーが肥大するだけではない。不必要な機能が搭載されることは,悪意を持つハッカーたちの攻撃の格好の的にもなる。

 Longhorn Serverは完璧にコンポーネント化されている。サーバーのコアの部分は論理的に「Server Core」と名付けられており,すべてのLonghorn Serverのインストール形態の基礎になる。特に,専門化したサーバーを作るため,Server Coreにそれぞれ自分の役割を満足するために必要な最小限の量のコードしか含まないほかの役割,例えば「リモート・アクセス」や「Windows Terminal Services」,ファイルやポータルといったストレージ,プリント,Webサーバー——などを追加することもできる

 新しいシステムの一番のメリットは,Server Coreだけを持つサーバーを配備できることだ。こうしたサーバーは,GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)を全く提供せず,つまりコマンド・ライン経由でしか管理できない。こうしたサーバーを「Microsoft Management Console(MMC)」ベースのツールを使ってリモートからグラフィカルに管理することはできる。 Server Coreベースのサーバーは,DHCP(動的ホスト構成プロトコル)やDNS(ドメイン・ネーム・システム)などといったインフラとしてのタスクだけを処理する。

IISもコンポーネント化が進む
 「Internet Information Services(IIS) 7.0」が,Longhorn Serverにビルトインされる予定だが,これはサーバーがWebサイトとそこでホスティングしたいアプリケーションのために必要な技術だけをロードできるようになって,より完全にコンポーネント化された設計になるだろう。IIS 7.0は別の記事を立てられるほど面白いものだ。私は将来もっと迫ってそれをよく見てみるつもりだ。

ターミナル・サービスは企業向けにバージョンアップ
 当初はWindows Server 2003 R2用に計画され,結局Longhorn Serverに入ることになった新しいターミナル・サービスは,アプリケーションの利用を完全なコンピューティング環境にだけではなく,リモート・ユーザーにも公開できるようにする。この機能は「Terminal Services Remote Programs」と呼ばれるもので,企業ユーザーがサーバー・ベースのアプリケーションにアクセスするやり方を劇的に拡張するだろう。そのときが来れば,あなたはとてもシームレスな装いで,ローカル・アプリケーションのように開くリモート・アプリケーションを実装できる。

NTFSとレジストリがトランザクショナルに
 Longhorn ServerにおけるNTFSとレジストリは,ようやくトランザクションをサポートするようにアップグレードされる予定だ。NTFSはLonghornではトランザクショナルになることで,ファイル操作をロールバックしたり,エラー状態からきれいに復帰させたりできるようになる。MicrosoftのJim Allchinプラットフォーム部門担当グループ・バイス・プレジデントがPDC 2005でこの素晴らしい切望された機能を発表したとき,開発者たちは喝采を送った。

イベント・ログの全面的修正
 MicrosoftはLonghornのイベント・ログを新たなXMLベースのログに置き換えるつもりだ。このログは,サード・パーティの開発者がイベントと告知をより簡単にプラグインできるようにする新しいAPIセットを持つ。われわれが聞かされたところでは,どんなサード・パーティの管理ツールでもこのAPIを使ってログを見たり,イベントを書き込んだり,必要があれば特定のイベントを集めたりできるようになるという。

 新しいイベント・ログは完璧にオープンになり,システムの健康状態に関する情報をより簡単に浮かび上がらせる。これらの能力は事前処理でもあり,ハードディスクが故障しかかっている場合や,特定のボリュームが一定の容量やクォータに達しつつある場合に警告を出すように設定できる。

Longhorn Serverの主流はx64
 MicrosoftはLonghorn Serverに,どんなエディションを用意するかをまだはっきりとは示していない。そのほとんどは,32ビットのx86版や64ビットのx64版の形で入手可能だろう。Longhorn Serverのx86とx64は機能的には同等である。ただしMicrosoftは,x64版はより高い性能と拡張性を提供し,より多くのメモリーをサポートすると言っている。同社はLonghorn Serverのメインストリームのサーバー・プラットフォームは,x64だと考えている。

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 Longhorn Serverについて書くべきことはもっとたくさんある。今からLonghorn Serverのリリースまでには長い時間があるので,当然ながらこの製品に関して今後数カ月はもっとたくさん話をすることになるだろう。あなたがこの製品に興味を持つことを期待している。