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 「全般的にはストレージ市場は健全な成長基調にある」——最新のIDCの「Worldwide Quarterly Disk Storage Systems Tracker」の調査によると,概況はこんな感じだ。

 ストレージ・システム市場は2年間で急速に成長した。世界のディスク・ストレージ市場全体の工場出荷額(外部接続と内蔵のディスク・ストレージ・システムを含む)は2005年第2四半期に9.9%増大し,総額では56億ドルを記録した。2004年第2四半期は,ディスク・ストレージ・システム市場全体は5%成長だったので,それを上回る。

 外部ストレージ・システム市場は第2四半期に好調で,8.6%増収,38億ドルに達した。比較すると2004年の第2四半期は8%成長だった。出荷された全ストレージ容量も爆発的に増え続けている。ディスク・ストレージ・システムの全容量は第2四半期に457ペタバイトとロケットなみに急上昇した。2004年に出荷されたストレージ容量は41.2%の伸びで275ペタバイトだった。この基調はずっと続いており,ペタバイトあたりのコストは下がり,ストレージ容量の需要は急増している。大手のストレージ・ベンダーにとっては幸いにも,そのコストは急速な需要の拡大に比べるとそれほど早くは落ちていない。

上位5社の位置づけは変わらず
 ストレージ・システムのリーダーの市場での位置づけもほとんど変わらなかった。NAS(ネットワーク接続ストレージ)とiSCSI SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)を含む外部ストレージ市場では,EMCが首位を守り,シェア21.2%と0.2ポイントだけ増えた。EMCは上位5社の中で2番目に低い成長率を記録したが,それでも9.6%の伸びだった。

 外部ストレージ市場の上位5ベンダーの中で,Hitachi Data Systemsは出荷額が1.1%減となり一番悪い成績。反対にDellは出荷額が27.1%も急伸し,最大の伸び率を記録した。結果的にDellは,8.3%の市場占有率を獲得し,Hitachiの7.3%を抜いた。2004第2四半期には,Hitachiは市場の8%を占めていたのに対して,Dellは7.1%だった。

 この市場でナンバー2のHewlett-Packard(HP)は,出荷額が13.7%増加,市場占有率を18%から18.8%に伸ばした。ナンバー3のIBMは,出荷額を13.4%の伸ばし,市場占有率を13.2%から13.8%に増やした。

 NAS市場はそれ単独で9.5%成長した。同分野では出荷額で40.2%の占有率を記録したEMCが1位になり,Network Applianceが35.3%の占有率で後に続いた。iSCSI SAN市場は出荷額の前年比で140%の成長を記録した。この市場では,EMCとNetwork Applianceが立場を入れ替えた。今やNetwork Applianceが41.6%の占有率で首位,EMCが26%で後に続いている。

 全ストレージ・システム市場でも状況は比較的安定していた。このジャンルではHPが頂点に立っていたが,2005年第2四半期では13.9%出荷額を伸ばし,市場占有率を22.6%から23.5%に増やした。IBMの出荷額は13.2%に達し,市場占有率は19.9%から20.6%に拡大した。EMCはナンバー3で,出荷額で9.6%成長したが,同社の市場占有率は14.5%から14.4%へとわずかに減った。そして再び,ナンバー4のDellは,26.7%も出荷額を伸ばすという一番の強さを見せた。Dellは市場占有率を7.2%から8.3%へ増やした。

 おそらくもっとも目につく数字はしかし,Sun Microsystemsが記録したものだ。Sunの出荷額は10.4%減少し,市場占有率は7.4%から6.1%にまで落ちた。こうした数字はしかし,SunがStorageTekを買収してその効果が出始めれば好転するに違いない。

 全般的には上位5社のベンダーはトータルの市場占有率を増やした。彼らは現在市場全体の70%を押さえている(2004年第2四半期では68%)。結局のところ,市場の最大の力となったのはIDCのアナリストが注記しているようにミッドレンジのシステムにあった。

成熟かもしれない,しかし成長する
 何人かは,こうした数字は市場が成熟しつつある,あるいはすでに成熟したことを示すものだと言っている。それはそうかもしれない。しかしこの数字は,IBMとHitachi Data Systemsが昨年ダイナミックな新しいハイエンド・ストレージ・システムを投入した時に突きつけられた挑戦をEMCがしのいだことを示すものでもある。さらにHPは,1年前の不調からうまく立ち直った。

 企業向けのストレージ・システムの市場はかなり成熟し安定したように見える。けれども,この市場を構成する各社は,単により多くのストレージだけでなく,より賢いストレージ・システムを求める声が大きくなることに対応するため,自らを急速に再構成している。