PR

 「WinFS」(開発コード名)は,Microsoftが開発を進めているWindowsの新しいストレージ・サブシステムである。2005年8月29日にBeta 1が公開された。同社が運営する開発者向けサービス「MSDN(Microsoft Developer Network)」のWebサイトからダウンロードできる。

 WinFSをOSに追加すると,ストレージをデータベースのように扱えるようになる。ストレージに保存されたファイルやフォルダはデータベースで管理されるため,データの検索や表示機能が大幅に強化される。例えば,Officeソフトで作成したファイルにはファイル本体のデータのほかに,作成者,会社名,保存日時などのメタデータも保存されている。これらのメタデータを条件に指定して,検索できるようになる。また,特定の作成者で検索したときの結果を仮想的なフォルダにまとめておくことも可能になる。物理的なファイルの保管場所に依存せず,ファイルを効率的に管理できるようになる。

 こうした検索や管理の機能は,アプリケーションやWebサービスを介しても利用できる。アプリケーションはデータベースにアクセスするように,ローカル・ドライブやネットワーク上のドライブのファイルを検索し,自由にデータを利用できるようになる見込みである。

 WinFSは当初,Windows Vista(開発コード名はLonghorn)に搭載される予定だった。しかしその後の変更で,Windows Vistaへの搭載は見送られた。2005年9月時点の予定では,Windows Vistaが2006年末に出荷された後の2007年第3四半期にWinFSが完成すると言われている。この間に,Community Technology Preview(CTP),Beta 2,Beta 3の公開が予定されている。なお,Windows VistaにはWinFSが搭載されないものの,別のコンポーネントで仮想フォルダという類似機能が実現される予定。

 2005年8月に公開されたWinFS Beta 1は,Windows XP Service Pack 2で動作するためインストールして試すことが可能だ。ただしWinFSは開発者向けの機能であるため,これを利用するアプリケーションが存在しないうちは,一般のユーザーがWindows XPにインストールしてもメリットはない。エクスプローラで表示した[マイコンピュータ]の配下に[WinFS Stores]というアイコンが追加されるだけである。Microsoftは,ベータ版を早期に公開することでアプリケーションの開発者に慣れてもらい,完成時点でWinFSを利用する多くのアプリケーションが登場することを狙っている。