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■ブラウン大学は恒例の各国の電子政府ランキングを2005年9月に発表した。台湾、シンガポールを始めとするアジア諸国・地域がトップグループとして先頭を走っていることが明らかになった。一方、日本は大幅に順位を下げ、トップ50から滑り落ちた。(石川幸憲=ジャーナリスト)

 今年で5回目になるブラウン大学(トーブマン公共政策センター)「世界電子政府調査(Global E-Government, 2005)」の結果が9月に発表された。調査対象になった198カ国・地域の中で台湾、シンガポールが1位2位をそれぞれキープする一方で、香港が4位(昨年11位)に躍進、そして中国が5位に入った。欧米勢のなかでトップ5に食い込んだのは3位(昨年も3位)の米国だけという結果である。

■電子政府ランキング TOP10
順位
(前年順位)
国名 ポイント
(前年ポイント)
1(1) 台湾 57.2
(44.3)
2(2) シンガポール 54.5
(43.8)
3(3) 米国 50.5
(41.9)
4(11) 香港 46.2
(33.7)
5(6) 中国 44.3
(37.3)
6(4) カナダ 43.3
(40.3)
7(9) ドイツ 35.3
(35.0)
8(7) オーストラリア 35.1
(36.7)
9(34) アイルランド 34.6
(29.9)
10(86) バチカン 34.5
(26.0)
53(29) 日本 28.3
(30.8)
※前年のランキングはこちら→2004年度ランキング
※編集部注:調査方法は次ページを参照。調査方法を見れば分かる通り、ブラウン大学の調査は「Webサイト」についてのランキングと言っていいだろう。

 日本が足踏みしている間に、先頭グループは電子政府の充実度を一段と上げ、第2グループ、第3グループとの距離を大きく広げている。トップの台湾は、得点を昨年の44.3から57.2へと大きく上昇した。同様に、シンガポール(54.5)そして米国(50.5)も初めて50点台に達している。

 調査の責任者であるダーレル・ウェスト(Darrell M. West)教授は、調査の結果を電話インタビューで以下のようにまとめた。「世界の電子政府は、着実に進歩しているが、その発展は段階的になっている。(常に右肩上がりの発展ではなく、前進、一休み、前進というパタンーン)。大きく伸びている国もあるが、全体的に見ると予算、組織、制度などの障壁を前に、行政のIT化に若干ブレーキがかかっているという面もある」。

 2005年ランキングのなかで目に付くのは、順位の入れ替わりの激しさである。上位の台湾、シンガポール、米国を除けば、ほとんどの国・地域は順位を上げたり下げたりしている。日本は昨年の29位から53位へと大きく後退した。特に10位-20位を見てみると12位のバハマ連邦(前年71位)、13位のチリ(前年40位)、14位のチャド(前年109位)など、大きく順位を上げてきた国が多く見られる。ウェスト教授はこう説明する。「日本を見ると、(昨年の30.8から28.3へと下がったが)得点数にそれほど大きな変化はない。順位を下げた理由は、日本の電子政府に問題があるというよりは、他国に比較して進展ペースが遅いということだろう」。

 ブラウン大学調査によれば、日本が他国に遅れている分野は、政府系機関が抱える各種データベースの開示度、プライバシーポリシーやセキュリティステートメント(個人情報の安全管理に関する基本方針)の掲示、市民からのコメント欄、それに更新頻度ということである。