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■計画段階の取り組みと比べ実務段階での管理は甘い

 次に、「アプローチ(AP)」「アーキテクチャ(AR)」「アチーブメント(AC)」の3つの観点から調査結果を分析してみよう。レベル1および2の上位自治体と、レベル6および7の下位自治体との平均得点次ページ(注)の差を比較することで、自治体の情報システムの実態が見えてくる。

 図3のアプローチ(AP)分野では、最も左の「システム化構想・計画と自治体全体計画の連携」(総合計画とシステム化計画の連携)で、上位・下位の間で大きな差がついている。つまり、上位自治体では庁内の改革とシステム化が何らかの形で連携しているのに対して、下位自治体では両者がバラバラで動いているといえる。

■図3 上位自治体と下位自治体の得点差(注)
 (アプローチ分野)
上位自治体と下位自治体の得点差(アプローチ分野)
「システム化構想・計画と自治体全体計画の連携」と「投資評価のレベル」で大きな差が出ている。

 全庁での投資評価のレベル(全庁のシステム化投資の評価をどこまでやっているか)も差が大きい項目の一つだ。下位自治体では、システム部門が介在するチェック体制が甘く(あるいは存在せず)、業務主管課がシステム部門を通さずベンダーに丸投げしてしまっている可能性があることを示唆している。

 全体の傾向を見てみると、上位自治体、下位自治体とも組織体制やチェックの仕組みといった、主観的な自己評価で回答できる図3左の5項目の平均点は比較的高いが、実際の契約やプロセス管理を実行する際の取り組みである右の5項目の平均点は低い。自治体のシステム部門では、事前の枠組みは作ってあるものの、実際の業務段階の管理がまだまだ不十分だという傾向があることを如実に示している。

■個人情報保護対策や情報共有に大きな格差

 次にアーキテクチャ(AR)の観点から比較してみよう(図4)。例えば職員へのパソコンの普及状況は上位・下位自治体とも「職員の8割以上」という回答がほとんどで、あまり差が見られない。致命的なトラブルの頻度も同様である。

■図4 上位自治体と下位自治体の得点差(注)
 (アーキテクチャ分野)
上位自治体と下位自治体の得点差(アーキテクチャ分野)
パソコンの普及状況には差がないものの、部署横断的な情報連携の有無で大きな差が出た。全庁的システム構築の有無が差に表れている。

 しかし、個人情報保護対策のレベルと文書・電子ファイルの組織間共有や部署横断型データベース、情報検索の容易さで大きな差が付いている。全庁的な視点を持ったシステムを構築できたか否かの差が、上位自治体と下位自治体の点差として現れているといってもいいだろう。

 アチーブメント(AC)については災害対策についての連携や、住民向けシステムの効果について点差の開きが見られたが、特徴的な傾向は見いだせなかった。

 そのほか、上位・下位自治体ともコスト意識の低さが見てとれる。2002年度から2004年度にかけての業務コストの変化に関する質問の回答率は回答自治体の約3割、システム費用の推移についても、回答率は約6割にとどまっている。全庁的なシステム関連コストをそもそも把握していない自治体が相当数存在していると見ていいだろう。

(注)図3および図4の横軸の各項目は、それぞれ「自治体の情報システムに関する実態調査」の関連する設問内容を要約したもの(複数の設問をまとめ一つの項目としている場合もある)。

 縦軸の得点は、横軸の各項目に対応する設問について、それぞれ最高レベルの回答をした場合に1点、最低レベルの回答をした場合に0点となるように配点を決めた上で採点した。

自治体のシステムを格付け、60団体が「AAA」を獲得
結果発表 自治体の情報システムに関する実態調査