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■形骸化しがちな首長・三役のCIO

 上位自治体と下位自治体の間で開きが大きかった項目の一つにCIO(最高情報統括者)、またはCIO相当職の有無や役割がある。AAAの団体ではCIOまたはCIO補佐官(いずれも相当職含む)が実際に業務改革の推進にまでかかわっている比率が7割を超すが、CCCの団体では1割に満たない。また、AAA60団体のうち、CIOあるいはCIO補佐官のいずれも設置していなかった自治体は2団体しかなかった。

 自治体のCIOの設置比率は7割を超え、人口規模が大きいほど高くなる。また、CIOの役職は、どの規模の自治体でも最も多いのが首長・三役級である(図5、6)

■図5 自治体人口別CIO設置の状況(n=407)
自治体人口別CIO設置の状況(n=407)
どの人口規模でも7割以上の自治体がCIOを設置している。

■図6 自治体人口別のCIOの役職分布(n=319)
自治体人口別のCIOの役職分布(n=319)
人口50万人未満の都市では、特に首長・三役級がCIOを務めている割合が高い。

 CIOが実際に業務改革の推進にまでかかわっている自治体は全体的に少ない(図7)。特に人口10万人未満の小規模自治体では業務改革にかかわるCIOのいる自治体は約2割にとどまる。また、役割が形骸化してしまっているCIOは小規模自治体では6割を超えてしまう。

■図7 人口別に見たCIOの役割の分布(n=318)
人口別に見たCIOの役割の分布(n=318)
人口が多い自治体ほど、業務改革にまで積極的にかかわるCIOが多いことが分かる。人口10万人未満の自治体では、形骸化したCIOが6割を超える。

 CIOの形骸化は首長・三役がCIOを務めるケースでも5割を超える。逆に部局次長級以下の職員がCIOを務める団体ではCIOの形骸化率は低い。全庁的な業務改革の推進もCIOが担っている率が高く、真剣にCIOという職務の必要性を認識している団体ほど、実質的な責任者をCIOに任命しているといえそうだ(図8)

■図8 CIOの役職と役割の関係(n=319)
CIOの役職と役割の関係(n=319)
首長・三役級がCIOである自治体が圧倒的に多い。CIOを部局次長級にしている自治体の方が行政改革に 積極的である。

 首長や三役が情報化に熱心な自治体ならよいが、単に「最終的な意思決定者だから」という理由で首長・三役をCIOとするなら、形骸化するのは目に見えている。CIOの果たすべき役割・権限を整理・確認し、業務を遂行できる人材に必要な権限を与えた上で、CIOチーム=システム部門を整備すべきだ。

自治体のシステムを格付け、60団体が「AAA」を獲得
結果発表 自治体の情報システムに関する実態調査