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Part3では,WANサービスを利用する際に求められる実践スキルを説明する。

 社内ネットをインターネットにつなぐときや,距離の離れた拠点同士をつなぐときには,通信事業者のWANサービスを利用することになる。こうしたWANサービスに契約すると,WANサービス特有のアドレス割り当ての書類を受け取ったりする。

 図1左が,企業向けのインターネット接続サービスの開通通知書である。プロバイダが契約者に対して,契約手続きが完了したことを示す書類だ。そこには,100.100.100.0/28や100.100.100.0/29といったIPアドレスが記載されている。

図1●WANサービス利用時に通信事業者やプロバイダとやりとりする開通通知書や申込書<br>インターネット接続サービスやIP-VPNサービスに契約すると,/28,/29,/30といったアドレス・ブロックが記載された開通通知書や申込書をやりとりする。
図1●WANサービス利用時に通信事業者やプロバイダとやりとりする開通通知書や申込書
インターネット接続サービスやIP-VPNサービスに契約すると,/28,/29,/30といったアドレス・ブロックが記載された開通通知書や申込書をやりとりする。
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 これらは,プロバイダが企業に割り当てたグローバル・アドレスである。クローバル・アドレスは,インターネットと直接つなぐサーバーなどに割り当てて使う。プロバイダから送られてきたこの通知書を見て,自分が使えるグローバル・アドレスの数や範囲を理解できないといけない。

 また図1右は,IP-VPNサービスの申込書である。IP-VPNサービスを申し込む際には,通信事業者にこのようなIPアドレス表を提出する必要がある。このとき,表にはあらかじめ「/30」と記入されていたりする。この意味がわからないと,サービスを申し込むことさえできない。

マスク1ビットでIPアドレスは半分

 では,これら/28,/29,/30といったサブネット・マスクを理解しよう。

 Part2で出てきた/24というサブネット・マスクを思い出してほしい。これを基準に考えていこう。例えば,192.168.0.0/24は,192.168.0.0~192.168.0.255の256個のIPアドレスのブロックになる(図2)。実際に機器に割り当てられるIPアドレスは,先頭の192.168.0.0と最後の192.168.0.255の二つを除いた254個だ。

図2●WANサービスで使うサブネット<br>WANサービスでは,小さなアドレス・ブロックを使う。サブネット・マスクの1のビットを1個増やすと,サブネット内で利用できるIPアドレスは半分になる。
図2●WANサービスで使うサブネット
WANサービスでは,小さなアドレス・ブロックを使う。サブネット・マスクの1のビットを1個増やすと,サブネット内で利用できるIPアドレスは半分になる。
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 では,サブネット・マスクの1のビットを1個増やして/25(255.255.255.128)にするとどうなるか。ホスト部を表わすビット(サブネット・マスクの0の部分)は8ビットから7ビットに減る。ということは,アドレス・ブロックのIPアドレス数は半分の128個になる。このうち機器に割り当てられるアドレスは2個を除いた126個だ。

 /24のときと/25のときを比べればわかるように,サブネット・マスクの1のビットを1増やすとアドレス・ブロックの大きさは半分になる。こうしてアドレス・ブロックを分割することを「サブネッティング」と言う。

 このように考えていけば,/28,/29,/30のアドレス・ブロックもわかる。192.168.0.0/28のアドレス・ブロックならIPアドレス数は16個(192.168.0.0~192.168.0.15),192.168.0.0/29なら8個(192.168.0.0~192.168.0.7),192.168.0.0/30なら4個(192.168.0.0~192.168.0.3)になる。いずれの場合も,機器に割り当てられるのは,この数から2を引いた14個(/28の場合),6個(/29の場合),2個(/30の場合)である。