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会社法の施行,日本版SOX法の成立を受け,膨大な文書の作成と管理の作業を支援する対策ツールが続々登場している。対策ツールの利用する目的やメリットを解説する。

図1 一般的なSOX法対策プロジェクトの概要
図1 一般的なSOX法対策プロジェクトの概要
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図2 SOX法対策ツールのカバー範囲
図2 SOX法対策ツールのカバー範囲
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 2008年4月,上場企業とそのグループ会社は日本版SOX法への対処を迫られる。準備期間は21カ月あるが,直前の1年間を試行期間と考えれば,残り時間にそれほど余裕があるとは言えないだろう。動きが早い会社では既に対策プロジェクト・チームを作り,具体的な作業に入っている。SOX法対策には情報システムも関係するため,ITエンジニアにとっても人ごとではない。

 今回は,SOX法対策プロジェクトを支援するツールを取り上げる(図1)。世に「SOX法対策」をうたう製品は多いが,その多くはプロジェクトの中で明らかになったシステム上の問題点を改善するのに役立つツールである。今回取り上げるのは,その前に取りかかるべき文書化の作業やその管理を楽にするソフトウエア製品だ(図2)。

 SOX法対策プロジェクトには,ここで取り上げるツールが必須なわけではない。先行する米国の事例では「Excelとメールだけで済ませたところも多い」(対策ツールを開発・販売するFoxT Japan 代表取締役 西村耕三氏)という。ただ,米SOX法に対応した企業の事例から,プロジェクトの中で作成する文書ややり取りするメールの量が膨大になることが分かってきた。その文書の管理などに相当な負荷がかかることが問題になっており,初年度はExcelとメールだけで済ませても「米国では,2年目以降にツール導入を検討するところも多い」(西村氏)という。

 日立製作所のグループ子会社として米SOX法の対策プロジェクトを進めている注1)日立情報システムズの場合,業務フローと業務記述書の作成でExcelのシートが約300枚。それに対応するリスクとコントロール(回避策)がそれぞれ約2200個に上った。テストの数はさらにその数倍に上る。それらの文書を事務局や現場担当者,経営者,監査法人など多くの関係者の間でやり取りするのは大変なことである。

 SOX法対策ツールを利用するメリットの一つは「これらの文書を作成し,管理する作業の負荷を大きく軽減できる」(日立情報システムズ 監査室 IC推進センタ センタ長 岩崎正己氏)ことである。

 SOX法対策ツールを導入するメリットはもう一つある。SOX法対策は,最終的には公認会計士や監査法人による承認を受ける。そのために「どのような文書を用意しておけばよいのか」「どのような作業を済ませておけばよいのか」が分かっていなければならない。ツールにはその観点で必要な機能や項目が用意されている。その意味でも楽なのである。

注1)日立製作所のグループ子会社米SOX法では,米国の証券取引所に株式上場している企業だけでなく,連結対象グループ企業を含めた統制が必要である

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