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 内部統制や監査を解説する文章の中で、「アサーション」という用語が出てくることがあります。アサーションは直訳すれば「主張」という意味ですが、内部統制や監査の文脈では「監査要点」や「経営者の弁明」などと訳されます。

 内部統制におけるアサーションとは、財務諸表などの正しさを構成する要素のことです。内部統制を構築する際には、リスクが存在する業務に対して不正を防ぐための活動を組み込まなければなりません。そうした統制の活動が、どのような狙いで正しさを確保しているのか、を示す項目がアサーションです。例えば、取引の「実在性」や、記録の「網羅性」などがアサーションの例です。

 具体例を挙げましょう。(1)取引が実在することを保証するために、製品が納品された段階で請求書を発行する、(2)取引が漏れなく記録されていることを保証するために、当日中の売り上げに対する請求書をその日に発行する――といった統制活動を想定してみます。この時、(1)ではアサーションとして取引の「実在性」を、(2)では取引の「網羅性」を保証していることになります。

 一般的にアサーションの要素には、(1)実在性(または発生)、(2)網羅性(または完全性)、(3)評価(または配分)、(4)権利と義務、(5)表示と開示――などがあります。

(吉川 和宏=日経情報ストラテジー)

出典:日経情報ストラテジー 2006年9月号29ページより 日経情報ストラテジー