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 いよいよ話は、具体的なKickstarterの活用法へと分け入る。

 AgIC PrintのプロジェクトはKickstarterで資⾦調達することを前提にタイムラインを組んでいた(写真1)。

写真1●Kickstarter、AgIC Printのプロジェクトページ。非公開の状態で仕上げ、そのあと審査を受ける。審査の過程では、生産のタイムラインなどを詳しく聞き取りされ、実現可能性を検討される。
写真1●Kickstarter、AgIC Printのプロジェクトページ。非公開の状態で仕上げ、そのあと審査を受ける。審査の過程では、生産のタイムラインなどを詳しく聞き取りされ、実現可能性を検討される。
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 では、実際にどういう経緯をたどったのか、AgIC代表取締役社長の清水信哉氏にお話を聞いてみよう。

 いまさら説明することでもないが、Kickstarterは、世界最大のクラウドファンディングプラットホームである。設立は2009年。先行サービスには2008年に立ち上がった「IndieGoGo」がある。

 「追い抜かれたのは明確にポリシーの差でしょう、Indygogoはすべてオープンで、審査なし。誰でも応募できます。Kickstarterは審査が厳しい。結果として、審査の厳しい⽅にレベルの⾼いプロジェクトが集まったんですね」
 と清水氏。

 インターネットだからといってなんでもオープンがいいというわけではないという事例だ。Kickstarterの特徴は、審査が厳しい、新規性が求められる、規模が大きいという3点に絞られる。

 「うちのプロジェクトを応援してくれた人の内訳をみると、Kickstarter経由で見て来てくれた人が一番多いんです。つまり、Kickstarterというクラウドファンディングプラットホーム自体が持っているお客さんが多い。他のプラットホームとは桁が違うんです。そういう事情が知れ渡っているので、寄付をほしい人はみんなKickstarterにプロジェクトを出す。すると、さらに見に来る人が増えるというポジティブなサイクルができている。一回こういう流れが出来てしまうと、なかなか逆転は難しいですね」

 日本ローカルなプロジェクトなら日本のクラウドファンディングプラットホームに出すという選択肢もあるが、「AgIC Print」の場合、言語の障壁がなく、見た目がわかりやすい技術であり、製品なので、最初からKickstarter一択で考えていたという。