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図1●「Anyca」アプリの画面。マニアック系、エコカー、軽自動車など300台が登録されている。高級電気自動車「テスラ」のシェア登録もある
図1●「Anyca」アプリの画面。マニアック系、エコカー、軽自動車など300台が登録されている。高級電気自動車「テスラ」のシェア登録もある
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 あこがれのクルマ「Citroën DS」がいきなり表示されたのには驚いた。今はドイツ車に乗る筆者だが、20年弱をハイドロニューマチック(オイルとガスを利用した独自のサスペンション)のモダンシトロエンと暮らしていた者からすると、この1955年から約20年間製造されたビンテージのモデルは、夢想するだけの存在であり、それをリアルに運転できるなどとは一瞬でも思ったことはない。

 ディー・エヌ・エーが9月9日に開始した個人間のカーシェアプラットフォーム「Anyca」(エニカ)には、「一生に一度は乗ってみたいクルマ」「あこがれの旧車」といった括りがあり、そこには件のCitroën DSをはじめとして、非日常的なクルマがシェア用に登録されている(図1)。普通、レンタカーなどでは借りることができないクルマを借りることができるわけだから、クルマ好きからすると、アプリの画面を眺めているだけでも気持ちが高ぶるというものだ。

 Anycaは、今流行のシェアリングエコノミーのクルマ版だ。シェアリングエコノミーといえば、自宅の空き室に旅人を泊める「Airbnb」や、自家用車をタクシーのように配車する「Uber」が話題になっているが、スマートフォンを活用した自家用車のシェアリングサービスも出るべくして出た、といったところであろう。実際、シェアリングエコノミーが先行する米国では、「RelayRides」や「Getaround」といった個人間のカーシェアプラットフォームが既にたくさんのユーザーを集め成長している。Anycaを運用するディー・エヌ・エー オートモーティブ事業部カーシェアリンググループ・グループマネージャー大見周平氏に話を聞いた(写真1)。

写真1●ディー・エヌ・エー オートモーティブ事業部カーシェアリンググループ・グループマネージャー大見周平氏。1年をかけてAnycaの事業化にこぎ着けた
写真1●ディー・エヌ・エー オートモーティブ事業部カーシェアリンググループ・グループマネージャー大見周平氏。1年をかけてAnycaの事業化にこぎ着けた
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自家用車がお金を生んでくれる?

 考えてみれば、自家用車というのはとんでもない金食い虫だ。所有しているだけで税金、駐車場、点検といったコストが発生し、動かしたら動かしたで燃料、消耗品、保険といったコストがかかり、どう転んでもお金を生むことはあり得ない。自家用車の平均稼働率は3〜5%などという数字もあるくらいで、冷静に考えると年間20日程度しか使わないツールによくもそこまでお金をつぎ込めるものだと、我ながらあきれる。

 それが一転、個人間カーシェアに自分のクルマを登録すれば、金食い虫の自家用車がお金を生んでくれるかもしれないわけだ。ルール上、個人が事業的に利益を追求するような運用はできないのだが(理由は後述)、維持費の足しにすることは可能だろう。本コラム冒頭では、非日常的なクルマの事を紹介したが、実際には、プリウスや軽自動車といった普段遣いのクルマも多数登録されており、Anycaがクルマ好きをターゲットにしたマニアックなカーシェアプラットフォームというわけではないことがわかる。普通のクルマのオーナーでもここに参加することが可能だ。