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 米国に比べて普及の速度が遅い日本の電子書籍だが、最近は紙の新刊と同時に電子版を出版する例も増えており、牛歩ではあるがゆっくりと浸透しているように見える(写真)。筆者は紙と電子が併売されているタイトルは、基本的に電子書籍をダウンロード購入することがほとんどだ。

写真●日本の電子書籍もゆっくりではあるが浸透し始めている(写真はイメージ)
写真●日本の電子書籍もゆっくりではあるが浸透し始めている(写真はイメージ)
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 電子書籍をダウンロード購入するたびにユーザーとして悩むことがある。お金を支払ってダウンロードした電子の本は誰の「所有物」なのか、というテーマだ。これが紙の本であれば明白だ。本屋で購入した本の所有権は基本的に購入者のものだ。

 電子書籍はその名が示す通り、紙の本のメタファーを踏襲している。ダウンロードした電子書籍は端末内にある仮想の書架に並んでおり、実際の本棚に並んだ紙の本をイメージできる。さらに表紙があって目次があって、ページをめくるという行為ができることから、端末のスクリーンの中に紙の本をイメージするのが普通の感覚だ。

 それがお金を支払ってダウンロードしたものであれば、なおさらだ。デジタルデータという物理的に形が存在しないものでも、意識の上では電子書籍も紙の本と同様に自分の「所有物」以外のなにものでもない。少なくとも筆者はそう思っている。

電子書籍は購入者の所有物ではない

 だが、筆者が最もよく利用するAMAZON KINDLEストア利用規約の「1. Kindleコンテンツ」には、電子書籍が購入者の「所有物」であることをバッサリと切り捨てる次の一文がある。

Kindleコンテンツの使用。(前略)該当のコンテンツを回数の制限なく閲覧、使用、および表示する非独占的な使用権が付与されます。Kindleコンテンツは、コンテンツプロバイダーからお客様にライセンスが提供されるものであり、販売されるものではありません。(後略)

 つまり、Kindleで電子書籍をダウンロードするということは、その電子書籍を読む(使用する)「権利が与えられている」に過ぎず、「所有しているわけではない」ことになる。