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 ウエアラブルコンピューティングは、身にまとえるコンピューティング装置を実世界活動に使うことであり、デバイスが小さくなることによって実現したモバイルコンピューティングの次の形だ。最近はヘッドマウント・ディスプレー(HMD)やスマートウォッチが次々と発売されており、実際に使ってみることで用途を開発したり、ノウハウを蓄積したりすべき時期になっている――。

 神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻教授の塚本昌彦氏は、スマートフォンの次の成長分野として期待されるウエアラブル機器についてのシンポジウム「ウエアラブル・ジャパン2014 Summer」(2014年7月30~31日、東京・UDXカンファレンス)において、「ウエアラブルデバイスの現状とこれから」をテーマに講演した。

HMDを13年間装着する神戸大塚本氏が講演

図●多数のウエアラブル機器を身につけて講演する神戸大学教授の塚本昌彦氏
図●多数のウエアラブル機器を身につけて講演する神戸大学教授の塚本昌彦氏
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 塚本氏は、13年前からHMDを自ら日常生活で装着している他、スマートウォッチも使っている。講演に際しても、HMD「M100」(米Vuzix社)を付け、さらに右腕にスマートウォッチを4個、左腕に5個つけたいで立ちで臨んだ()。実際に使ってみることで便利なことや、「何かの動作で誤った指示をスマートウォッチに与えてしまい、知らないうちにOSのリブートがかかっていたりする」という問題点が分かってくるという。

 「ウエアラブルコンピューティング」はバズワード(流行り言葉)であるといわれることに対して、同氏はこの言葉は実は新しいものではなく、学会では20年前から定着していることを紹介。小さくなったコンピューターを身につけて、実生活で使うのがウエアラブルコンピューティングであり、モバイルコンピューティングの次に来るものと見るのが妥当という。

 ポケットの中に入った機器を使うときに取り出すようなものはウエアラブルとは言わないし、普段の生活とかけ離れた体験をするための没入型ディスプレーもウエアラブルではない。より人々の生活に入り込んで、なくてはならない存在であることがウエアラブルコンピューティングの本質であり、コンピューターが高価だった時期なら「何てしょうもないところにコンピューターを使うのか」という感覚になるような場面でも使うものだ、と指摘した。