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 これまでGPUで演算処理するときのネックの1つは、メモリーへのアクセスだった。従来は、高速GPU専用のGDDRメモリーを利用していたが、性能を上げるためには、より高速にアクセスできるメモリ-が必要になる。このためエヌビディアは、積層メモリーの規格であるHBM2(High Bandwidth Memory 2)を採用し、これをGPUパッケージ上に組み込む。

 NVLinkは、高速なGPU間の接続技術だ(図4)。これまで複数のGPUを連動させて、1つの画面を描画する」SLI(Scalable Link Interface)」があったが、Pascal世代からは、GPU同士、あるいは汎用プロセッサと高速なデータ転送が可能になる(図5)。

 この高速接続は、計算時に他のGPUと連携したり、汎用CPUと同じメモリー空間を共有するためなどに利用される。Pascalでは、x86/x64系プロセッサと接続するためにPCI Expressも備えている。

図4●NVLinkは、GPU同士を接続し、GPU間で高速にデータ転送する。PascalはPCI Expressも備えておりx86系CPUなどと接続して、GPUとCPUで同じ仮想メモリー空間を共有できる
図4●NVLinkは、GPU同士を接続し、GPU間で高速にデータ転送する。PascalはPCI Expressも備えておりx86系CPUなどと接続して、GPUとCPUで同じ仮想メモリー空間を共有できる
(出所:NVIDIA配付資料INSIDE PASCAL)
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図8●米IBMのPowerプロセッサは、将来NVLinkを搭載する。Pascal以降のGPUとNVLink経由で直接データを交換できるようになる
図8●米IBMのPowerプロセッサは、将来NVLinkを搭載する。Pascal以降のGPUとNVLink経由で直接データを交換できるようになる
(出所:NVIDIA配付資料INSIDE PASCAL)
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 かつてのPCには、GPUが必ず搭載されていたが、現在はプロセッサ内蔵GPUがほとんどになってしまったため、エヌビディアはシェアを失った。急速に市場が伸びていたスマートフォン向けにはTegraで参入を図ったもののうまくいかなかった。

 GPUの並列演算という特性を生かすべく参入した科学技術演算分野では、ディープラーニング分野で大きな存在感を得た。エヌビディアは、これを足がかりに自動車関連分野への進出を図っている。ただ、半導体は、大量生産する必要のあるビジネスだ。この分野でどれだけ出荷量を伸ばせるかが今後のポイントになるだろう。