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 アジャイル開発の事例やノウハウを共有するイベント「Agile Japan 2015」が2015年4月16日に開催された。筆者がモデレーターとして参加したパネルディスカッション「日本企業としてアジャイルに期待すべきこと、やらなければならないことは何か?」の様子をレポートする。

 パネリストは東京海上日動システムズの横塚裕志氏、富士通システムズ・ウエストの宮田一雄氏(2015年3月まで富士通ミッションクリティカルシステムズ在籍)、NECの誉田直美氏。このディスカッションは、社内にアジャイル開発を浸透させたい企業にとって、大変示唆に富む内容であった。

 パネルディスカッションで印象的だったのは、「ビジネスマインド」「スピード」といったアジャイル本来の目的に沿った意見が、組織を全体的に見る立場のパネリストから出てきた点だ。

 これまでアジャイルの講演といえば、プラクティスやツールキットの話が中心だった。経営視点の話が少なく、筆者は物足りないと感じることもあった。このイベントでは、より大きな視点でアジャイル開発を見ることができて、筆者としても充実したセッションとなった(写真1)。

写真1●パネルディスカッションの様子。左から順に筆者(名古屋大学 大学院情報科学研究科 准教授の森崎修司氏)、富士通システムズ・ウエスト 社長の宮田一雄氏(2015年3月まで富士通ミッションクリティカルシステムズ在籍)、NEC ソフトウェア生産革新本部 主席品質保証主幹の誉田直美氏、東京海上日動システムズ 顧問の横塚裕志氏
写真1●パネルディスカッションの様子。左から順に筆者(名古屋大学 大学院情報科学研究科 准教授の森崎修司氏)、富士通システムズ・ウエスト 社長の宮田一雄氏(2015年3月まで富士通ミッションクリティカルシステムズ在籍)、NEC ソフトウェア生産革新本部 主席品質保証主幹の誉田直美氏、東京海上日動システムズ 顧問の横塚裕志氏
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企業として、アジャイル開発に対して何を求めていますか。

横塚氏(東京海上日動システムズ) 最終的にアジャイル開発に求める目的は「東京海上日動のビジネスが価値あるものになること」だ。

 例えば、2013年に稼働させたタブレット向け契約システム(参考リンク:事例紹介)は、開発に当たって「代理店の方が心地良く、スムーズに仕事を進められるシステム」を目指した。このシステムは保険を契約するエンドユーザーも使う。そうしたユーザにとっても「心地良い」システムでなければならなかった。

 ただ、こうした「心地良い」システムは、最初から明確に要件を確定できるわけではない。システムを作りながら、何度か利用者とすり合わせする必要がある。そのためにアジャイル開発を適用した。