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 全日本空輸(ANA)が機内エンターテインメントの世界を一変させようとしている。5月に就航した国際線用のボーイング787-9型機で、国内航空会社として初となるテレビ放送の視聴サービスを開始。高度1万mの上空を飛行中に、地上で放送中のテレビ番組をほぼリアルタイムに視聴できるようにしたのだ。

 長ければ半日近くを過ごす長距離国際線の機内。見慣れた日本のテレビ番組が楽しめるようになれば、機内の過ごし方が大きく変わる可能性がある。使い勝手を検証するとともに、ANAの戦略をひもとく。

密かに大人気だった「数時間遅れのニュース」

 5月末のある日、東京・羽田空港の一角にあるANAの格納庫前に、ミュンヘンからの長旅を終えたボーイング787-9型機が羽を休めていた。これが国内初となる機内テレビサービス「ANA SKY LIVE TV」を搭載した1号機だ(写真1、2)。

写真1●ANAが5月に就航した国際線の最新鋭機、ボーイング787-9型機は機内テレビサービスを提供している
写真1●ANAが5月に就航した国際線の最新鋭機、ボーイング787-9型機は機内テレビサービスを提供している
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写真2●787-9の機体上部に装着されたKuバンドの衛星通信用アンテナ。機内の無線LANサービスに併せ、IPTVの映像伝送にも使っている
写真2●787-9の機体上部に装着されたKuバンドの衛星通信用アンテナ。機内の無線LANサービスに併せ、IPTVの映像伝送にも使っている
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 「機内向けのネットサービスと違い、テレビはITリテラシーに関わらず多くの人に楽しんでもらえる可能性がある。ライブ性の高いコンテンツを自宅と同様に見られるのは訴求力が高いと考え、ぜひ導入したかった」。機内テレビサービス「ANA SKY LIVE TV」の導入を主導したCS&プロダクト・サービス室商品戦略部の茅順一朗主席部員は、今回のサービスに懸ける思いをこう明かす。